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はじめに


頸椎椎弓根スクリューでの固定は
脊椎外科医にとって重要な治療のオプションのひとつであると考えています。

安易に行ってはなりません。
合併症が、即致命傷になるためです。

①Cadaverでのトレーニング、
②手術の見学、
③術者と一緒に行う
というステップを何回も繰り返さないといけないと思います。

角度のずれ


頸椎の椎弓根は非常に小さいので、
刺入の角度のずれがとても怖いです。

内側にずれれば頸髄に向かいますし、
外側にずれれば椎骨動脈に向かってしまいます。

助手にしっかり角度計を持ってもらって、
術者と助手、そして外にいる人の目を複数合わせて点検しながら
角度がずれがないように注意する事が必要です。

また、外側に展開した頚部の筋群におされて、
どうしても角度が立ちがちなので、そこも十分注意が必要です。

刺入点のずれ


刺入時の角度も心配ですが、
何よりも一番大切なものは、刺入点です。

刺入点がずれてしまえば、角度も長さもまったく無意味になってしまいます。

今回、ある外傷症例で、頸椎の後方固定を行ったのですが、
術前の作図と比べると、若干刺入点が内側にずれています(汗)。
IMG_2090


キャリパーを用いてミリ単位で正確に測定したのですが、
終わってみれば若干ずれています。

3mmのダイアモンドバーで刺入点を作成した際に
若干、内側に入ってしまったようです。

以前他の施設で、O-armナビゲーションを用いた頸椎固定の手術に入る機会を得ました。
O-armは、刺入点の確認に抜群に有用でした。

工務店で購入


ちなみに、角度計とキャリパーは、当施設には置いていないとのことでした。
仕方がないので工務店で購入しました。
IMG_2055


本日のまとめ


自分のいまの精度であれば、
pedicle幅が4.5mm以下であれば、椎弓根スクリューは敬遠せざるを得ないです。
たとえ外側塊スクリューで多椎間になっても、安全性には代えられないからです。
O-armナビゲーションがあれば、4.0mmでも刺入できるかもしれません。

もしかしたらロボットが安全に挿入する時代になるかもしれません。
むしろそうなってほしいですね。