敬老の日です。健康寿命と医療費の問題。学生、研修医の皆さん、脊椎外科医になりませんか?
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はじめに
超高齢化社会をひしひしと肌に感じますね。
未曾有の、とか過去に類をみない、とか煽られる言葉に危機感を覚えます。
敬老の日になると人口比推計の話が盛んになりますよね。
推計される高齢者人口とその割合
厚生労働省の推計によれば、
75歳以上の高齢者は、
2014年:1592万人、全人口に占める割合は13%
2025年:2179万人、同18%
2060年:2336万人、同27%
のようです。
すごいです。
65歳以上になると人数、割合は当然ながら、さらに増えます。
総務省統計局によると、
平成28年の65歳以上の人口は3461万人、
総人口に占める割合は27.3%
と共に過去最高!!
女性の高齢者割合が初めて30%を超える
日本の高齢者割合は、主要国で最高!!
とのことです。
・医療費の問題
・年金の問題
・生産性低下の問題
・死の迎え方の問題
とにかく多くの問題を付けつけられますよね。。。
健康寿命とは
健康寿命という考え方があります。
不健康でない期間ということになります。
不健康寿命とは、
健康な状態からなんらかの疾患に罹患して最後亡くなってしまうまでの期間
にあたります。
つまり不健康寿命は平均寿命と健康寿命の差です。
これが、だいたい10年ちかくもあるのですね。
逆の言い方をすれば、死ぬ前の10年程度は不健康な時期ということですね。
高齢者の医療を支えるのに莫大なコストが必要
この期間には医療費・医療資源が必要です。
1人あたり医療費でみると、
80歳以上の高齢者:年間90万~120万円
30~50代:年間10万~20万円。
差がものすごいことになっていますね。
このように、高齢者の医療を支えるのに莫大なコストがかかります。
日本の医療制度は高齢者のための医療でパンク寸前といいます。
しかし、わたしたちだってやがては高齢者となり、いろいろ医療を享受しなければならないのです。
急性期病院の在院日数を減らしたり、回復期リハの期間を減らしたり、
という問題解決法ではやがては自分たちが困ってしまうのではないでしょうか。
そして自分たちの子供に、その苦労を負わせることになるのではないでしょうか。
高齢化社会における脊椎外科医の役割
わたしたち脊椎外科の診療の醍醐味は、
健康寿命を伸ばすことができる
ということにあります。
・糖尿病や肥満、高血圧で運動療法を勧められたけれど腰が痛くて歩けない
・骨粗鬆症性椎体骨折のために寝たきりになってしまった
・後彎変形のために食事が入らない、深呼吸が出来ない
このような問題を解決することで、運動器による不健康状態を改善しうるのです。
結果、内科的疾患のコントロールにつながり、脳卒中や心血管障害に予防につながるのではないでしょうか。
先述したように、日本は諸国において高齢化割合No1です。
高齢者が活躍できる社会をつくることで日本の診療が世界の診療モデルになれるのではないでしょうか。
本日(2018/5/13)のまとめ
大きく語ってしまいましたが、
現在の治療、今後の治療の在り方を建設的に、前向きに捉えることで
世界をリードできると本気で思っています。
医療費を削減することも必要ですが
わたしたち脊椎外科医が頑張って
健康寿命を伸ばすことで、高齢者が活躍できる社会を応援し
生産性を高めることも重要でやり甲斐のある仕事だと思います。
とういことで、皆さん、脊椎外科医を目指しませんか?
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コメント
コメント一覧 (2)
いつも温かいコメントありがとうございます。
励みになります。
健康寿命の延長のもとに、生産的な社会活動の延長が生まれると思います。
脊椎外科医には高齢者が活躍できる社会を作るお手つだいができますよね!
今後ともどうぞご指導お願い申し上げます。
おそらく戦後、20世紀の間は寿命の延長に固執するあまり、医療費の増大につながり、医療財政を圧迫してしまったのは公には言えない事実だと思います。
かといって早く死んでくれとも言えないですから、健康寿命を延長することが至上命題となっているのは先生のご指摘の通りです。
先生はもちろんご存知でしょうが、QALYという指標は今後の医療経済を語る上では必須の概念であり、もっと普及させる必要があると考えています。必ずしも「高額医療」=「医療費の高騰」ではないことをもっと世の中のひと(特にお役人様)にわかっていただきたいです。