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はじめに


脊椎の椎体間固定術において椎間板を除去して代わりにケージを挿入します。

昨今、本邦でよく使用されている材質は
PEEK;polyetheretherketone素材
ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂
です。

・芳香族ポリエーテルケトン樹脂の一種
・結晶性の熱可塑性樹脂に属する合成樹脂
・PEK; polyetherketone = エーテル結合とケトン結合を交互に配置した基本的な直鎖状構造を持つものがポリエーテルケトン
・PEEK; ポリエーテルエーテルケトン polyetheretherketone = エーテル・エーテル・ケトンの順に結合を配置したもの
・ 熱可塑性樹脂としては非常に高い耐熱性があり、耐疲労性に優れ、耐磨耗性や寸法安定性、耐薬品性にも優れている
・絶縁性や耐放射線性も優れている


わたしにはよくわかりませんが(笑)
設置する椎体の骨密度と近いという理由で使用していると理解しています。

材質により骨癒合が異なるのでは?


以前ブーメランケージの考察を記事にしました。
(まだ使用していないのですが・・・)
そのときにケージを1個にするか、2個にするかで
2個のほうが骨癒合に優れると感じている、としました。

いろいろ見聞きすると、ケージの数も一つの要素と思いますが、
材質に関しても考察する必要がありそうです。

すなわち、PEEKよりも、チタンのほうが、
骨との接着能力、癒合にに優れるのではないかということです。

カーボン製ケージ VS チタンコーディング


以前より腰椎椎体間のケージはカーボン製のものを愛用しております。
ブラニガンの歴史からです。

PEEKを使用してみて、いまいち骨癒合の判定がはっきりしないのは
わたしだけではないようです。

XLIFのように大きいケージを椎体の辺縁にかませるならともかく
通常のPLIFではPEEKケージを頼りにするのは無理がありそうだと思っています。

しっかりとした骨移植が重要なことは論を待ちませんが。
チタンの材質は硬すぎてMISの手技で後方から挿入する場合に
終板損傷を起こしてsinkingが多い印象がありました。

これは、おそらく手技のラーニングカーブだったのかもしれません。
見直す時期が来たかなと思います。

と考えていたら、
PEEKケージの周囲にチタンをコーディングする技術が産まれていました。

PEEKの理想的な強度と
チタンの理想的な骨接着能力の
いいとこ取りのようなケージ、ということですね。

チタンコーティング材質のケージが優れるのか?


ということで、ケージの材質についての今後の課題としては
PEEK+チタンコーディングの技術により
・骨癒合が促進される?
・偽関節が減少する?
・スクリューのゆるみが減少する?
・結果的に手術の臨床成績が向上する?
ということが話題になっていくと思います。

本日のまとめ


腰椎の後方椎体間固定用のみならず、頸椎前方固定用ケージにも出ておりました。
MedtronicのANATOMIC PEEK PTC®です。
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まず頸椎から使用してみることとしました。

PTCとはpure titanium coatingの略だそうで、、、
pureなんて記載されると、他社はpureでないの?みたいになるんですが、、、

まあしかしいきなりケージを信用するわけにはいきませんので腸骨を入れております。
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ケージの材質で骨癒合の成績が向上するならば、
もしかしたらrefitなどの人工骨で代用可能になってくるのかもしれませんね。

refitの適切な使用に関しては
過去記事を参照ください。
HAp/Col、Refitの適切な使用方法について