矯正が強いとPPSはセットスクリューがナメッてしまうかも。
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はじめに
わたしの手術の関心事は
MIStの可能性の向上
です。
そしていま、MIStで積極的にチャレンジしていることは胸腰椎破裂骨折です。
治療方針について悩むことが多い骨折形態ですよね。
胸腰椎破裂骨折での術前の検討項目
・前方 or 後方 あるいは前方後方combine
・前方後方なら同時あるいは二期的
・それなら前方から?後方から?
・オープン vs MIS
・in situ vs 積極的なreduction
・椎体形成を追加するかどうか
・骨折椎体にもscrewを入れるか
・instrumentの範囲はshort? long?
・患者の骨質は?
・固定部の隣接椎体の状況は?
・骨折高位は?
・合併症、全身状態は?
検討項目が多くて一概に答えなどないです。
可能ならば、今のわたしの方針としては
これらの検討のもとで、可能であれば、
わたしは若年者で骨質の懸念がない症例は
Medtronic SOLERA;TIS: trauma instrument setとSAS: sagittal adjusting screwを用いて、
short MIStによる整復制動固定を行います。

この症例は神経症状は一過性の下肢しびれのみでした。

・肉体労働(酪農)ということ
・L1の椎弓根が細く、なんとかφ5.5✕45mmがやっと
ということもあり、T12にもPPSを補強しました。
L1とL3がSASです。
右側椎体の圧潰がさらに5mm程度強く、軽度側弯を呈していたので、
正面透視を見ながら右側の整復を強めにしました。
きれいに整復できたのですが、最終時のセットスクリュー締結時。。。
右側がどうしてもナメッてしまってなかなか締結できません。
ロッドホルダーを外して、ロンジチュードのシステムでロッドを少しずつ落とし込むことで
その後はしっかりセットスクリューで締結できました。
Trauma Instrument Setを外すときに
かなり強い力が加わっていたので
もしかしたら矯正が強すぎたのかもしれません。
TIS、SASのシステムは透視でみていると、どんどん整復矯正されていくので、
つい過矯正に陥ってしまいがちなのかもしれません。
となると術後の矯正損失がかなり危ぶまれることになります。
しっかり経過をおって適切な矯正がどの程度のものか評価していきたいと思います。
本日のまとめ
とりあえずの備忘録としては
・メドトロニックの
SAS; sagittal ajusting screwとTIS; trauma Instrument Set
を用いた後方MIStでは椎体圧壊が強い破裂骨折でもしっかり矯正できる
ピットフォールは、
・過矯正に陥りやすい?
・その際にセットスクリューがナメッて締結できない?
・矯正時にハンドルにかかる力はある程度にとどめておこうかな。。。
といったところです。
★★★
MIStに関わろうとしている脊椎外科医へ。手技に関する待望のバイブルが完成です。
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