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はじめに


椎体の骨折を診断する際に
多発性骨髄腫が紛れ込んでおります。

採血にて高タンパク血症や高カルシウム血症があれば
いくらか診断の助けになりますが、
骨病変のみ見ていては診断が遅れがちになってしまいます。
診断が遅れた高齢者の多発性骨髄腫

Punched out lesion、すなわち骨透亮像
判断しやすいものもあればそうでないものもあり、
積極的に疑って、M蛋白を測定しなければならないと思います。

ところでβ2ミクログロブリンを測定することがあるでしょうか?

わたしはβ2ミクログロブリンは多発性骨髄腫のマーカーかな、くらいにしか思っておりませんでした。

多発性骨髄腫に対してBKPを行う機会がありましたので、少しまとめました。
はっきりいって全然わかっていない(汗)

ミクログロブリンとは


あんまり調べきれない。。。

ミクログロブリン。
α1ミクログロブリン・・・おもに肝臓で産生
β2ミクログロブリン・・・全身の細胞で作られる

β2ミクログロブリンは骨髄腫細胞の活動を示す。
すなわち
病期の分類を行うのにβ2ミクログロブリンとアルブミンを用いる。

Stage I:β2MG<3.5mg/L かつ Alb>3.5g/dL 生存期間中央値:62カ月
Stage II:I でも IIIでもない場合 生存期間中央値:45カ月
Stage III:β2MG >5.5mg/L 生存期間中央値:29カ月

多発性骨髄腫の骨打ち抜き像とは


多発性骨髄腫とは
・形質細胞の単クローン性増殖
と、その産物である
・単クローン性免疫グロブリンの血清(M蛋白)、尿中の増加
であり、骨髄内で多数の集塊を作って増殖する。
集塊の近くの破骨細胞を活性化するとともに、造骨細胞を抑制し、溶骨性病変をつくる。
これがすなわち骨打ち抜き像

β2ミクログロブリンとは


HLAclass1を構成する蛋白。
あらゆる細胞で産生されるが、血中のβ2ミクログロブリンは主としてリンパ系組織に由来する。
・形質細胞・リンパ球にある蛋白
・多発性骨髄腫はリンパ球の腫瘍なので腫瘍自体がβ2ミクログロブリンを産生する。
・腎糸球体で濾過されたあと、近位尿細管で99.9%が再吸収される。
・尿細管で再吸収されるために、
尿細管障害として、重金属中毒、薬剤副作用、急性尿細管壊死、Fanconi症候群、糖尿病腎症など他の腎疾患で増加する。

本日のまとめ


多発性骨髄腫を疑ったら蛋白分画(M蛋白)とβ2ミクログロブリンを同時に測定していましたが、
どうもβ2ミクログロブリンの意義は活動度の評価、すなわち病期の分類のようでした。
ということは、診断がついてからの測定でもよいということでしょうね。
まだまだ理解は遠い(汗)。