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はじめに


以前から、椎体骨折後の後弯変形・遅発性神経障害に対して
前方アプローチによる椎体置換術が行われております。

前方アプローチは一度後方手術の台頭により、すたれてきた感があったのですが、
XLIF®、OLIF®に代表される低侵襲側方アプローチにより、再度前方法が脚光を浴びています。

XLIF®を提供するNuVasiveの製品にX-Core®というものがあります。

低侵襲椎体置換術に分類されます。

使用してみた雑感を述べたいと思います。

X-Core®のメリット


X-Core®の特徴はなんといっても
①大きなendcap。
カタログによれば前後径16mmもあるそうですが、18mmしか提供されません。
場末の病院だからかもしれませんが、、、、

とにかくXLIF cage、OLIF cageと同様に大きいです。

辺縁のもっとも固いrimを捉えることができるのがメリットです。

椎体間ケージほど細かい設定ではなく、30mm、40mm、50mmの提供です。

終板の中央に設置するチタンメッシュのラウンド型よりもsinkingが少ないのではないかと期待されます。

②expandable cage
椎体間に設置した後に、ハンドルを回すことでケージがジャッキアップされます。
持ち上げることにより、強固に上下終板に設置され、固定性の向上につながるのみならず、
ligamentotaxisによる骨片整復も期待されます。

という、特徴ですが、メリットがすなわちデメリットとなる懸念があります。


①大きなendcap
であるがゆえに、辺縁に骨移植ができません。
Endcapを取り付ける支柱に骨移植用の空洞スペースがありますが、この容積が小さい。
Endcapが大きいことに対してなぜ、骨移植スペースが小さいの?という感じです。

②expandable cage
その上expandableなので終板設置にメリットがある分、
移植骨と終板の間にギャップが生じてしまいます。

ギャップは化骨で埋まるのか?と疑問に思ってしまいます。

骨癒合を目指したいのに、ただ単に金属のimplantで支えているだけ、という状況が生じかねない懸念があります。

001


この図では、移植骨スペースにも、辺縁にも肋骨を挿入しています。
しかしexpandした瞬間にサイドの肋骨は倒れてしまうかもしれません。

本日のまとめ


そうはいっても、X coreは、このデメリットを十分に補うメリットのある手技だからこそ使用されているのでしょう。

椎体間の骨癒合に不安が残るので、X coreを使用したときの後方instrumentationは
PPSではなく、PLFで前方の癒合の補助をしたほうが無難だと考えています。