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はじめに


「アドヒアランスの向上が大切」

最近の骨粗鬆症の記事を読むと必ずといってもいいほど
最後のシメの言葉に使用されています。

英語では、adherenceと記載されます。

そこで質問です。

コンプライアンスとどう違うのかな??

わたし、アドヒアランスの意味ってわかっておりませんでした。

アドヒアランスadherenceとは


公益社団法人日本薬学会より
アドヒアランスとは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味する。
従来、医療者は「医療者の指示に患者がどの程度従うか」というコンプライアンス概念のもと患者を評価してきた。したがってその評価は医療者側に偏り、医薬品の服用を規則正しく守らない「ノンコンプライアンス」の問題は患者側にあると強調されていた。しかし実際の医療現場では、コンプライアンス概念で乗り越えられない治療成功への壁が存在した。そこで、患者自身の治療への積極的な参加(執着心:adherence)が治療成功の鍵であるとの考え、つまり「患者は治療に従順であるべき」という患者像から脱するアドヒアランス概念が生まれた。このアドヒアランスを規定するものは治療内容、患者側因子、医療者側因子、患者・医療者の相互関係という点でコンプライアンスとは大きく異なる。例えば服薬アドヒアランスを良好に維持するためには、その治療法は患者にとって実行可能か、服薬を妨げる因子があるとすればそれは何か、それを解決するためには何が必要かなどを医療者が患者とともに考え、相談の上決定していく必要がある。(2007.11.6 掲載)


ナースpediaより
アドヒアランス(あどひあらんす)とは、治療方針の決定について、患者自身が積極的に参加し、その決定に沿って治療を受けることである。患者が自身の病気を理解し、治療に対しても主体的に関わることで、より高い治療効果が期待できる。従来のコンプライアンス概念を見直す形で、この考え方が重視されつつある。


Wikipediaより
コンプライアンスには単に従うような意味が含まれるが、患者が正しい情報提供に基づいて同意するというインフォームド・コンセントの登場によって、アドヒアランス(英: adherence)にとってかわられ、コンプライアンスの概念は過去のものとなった。アドヒアランスでは、患者からの副作用のモニタリングや報告といった、意思決定への相互の参加が積極的に意味される。 治療方針の決定について、患者自身が積極的に参加し、その決定に沿って治療を受けることである。患者が自身の病気を理解し、治療に対しても主体的に関わることで、より高い治療効果が期待できる。従来のコンプライアンス概念を見直す形で、この考え方が重視されつつある。医療者が患者と共に考え、相談の上決定していく必要があるとされている。
アドヒアランスを高めるためには、副作用に考慮し忍容性を高めたり、投薬の設計を単純化するなどの工夫が必要である。不適切な処方や説明不足の改善も必要であり、患者と医師との関係などによってもアドヒアランスを良好にしていくことができる。


この患者、医者の言うこときかないな、は誤り


ということで、
この概念に従えば、
患者さんが医師の指示に従わないのは、
患者さんのせい
ではなく、
治療に積極的に参加させることができなかった、
医師のせい
となるのでしょう。

骨粗鬆症のアドヒアランスの向上が急務


先にも述べたように、骨粗鬆症治療薬のアドヒアランスの低さが話題となっています。

ビスフォスフォネート製剤に関しては、治療開始後1年でほぼ半数が脱落するとの報告されています。
Weycker D
Compliance with drug therapy for postmenopausal osteoporosis.
Osteoporos Int 17: 1645-1652, 2006


逆にアドヒアランスの向上が得られれば、骨折が有意に抑制されると報告されています。
平均1.7年の観察期間で,MPRが80%以上の群では80%未満の群とくらべて骨折率は17%抑制されている
Huybrechts KF
Assessment of compliance with osteoporosis treatment and its consequences in a managed care population.
BONE 38: 922-928, 2006.


アドヒアランスの維持・向上はきわめて重要といえます。

本日のまとめ


骨粗鬆症加療継続維持、つまりアドヒアランスの向上のために、
どのように工夫していますか?

わたしは繰り返し繰り返し、時間をかけて、粘り強く説明することが
治療継続につなげるための最重要事項だと思っています。

これ、工夫になっていませんね(笑)

やはりリエゾンチームの立ち上げでしょう!