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XLIFやOLIFに代表される優れた開創器により、
胸腰椎の前方アプローチがふたたび脚光を浴びています。

通常、胸腰椎移行部の前方アプローチの操作では
横隔膜のcrus:脚が椎体に付着しているために、
横隔膜を切開しなければアプローチできません。

T11やT10肋骨を前方から切除して、後腹膜腔と胸腔にアプローチして
横隔膜ドームを切開していきます。

すなわち開腹ならびに開胸といった手順が必要でした。

術後は当然、胸腔ドレーン管理となります。

NuVasive社の、XLIFおよびX-core®を導入するようになり、
T12の椎体置換でも胸腔から横隔膜切開が必要最小限でできるようになりました。

壁側胸膜を開けずに入れれば一番なのですが、高齢者なので往々にして開いてしまいます。
すると結果的には胸腔から透視下にT12椎体外壁にまっすぐ開創器を設置するだけです。

術中に限っていえば、壁側胸膜が開いた方が操作にストレスが少ないかもしれません。

開創器が設置されれば、後は椎体外の切開だけでアプローチできます。

アプローチできない場合は開創器のスペースだけ横隔膜を切開して
胸腔→横隔膜→後腹膜腔
で椎体にアプローチです。

わたしはその場合は別皮切で後腹膜に入っておき、
指でプロテクションをかけながら開創器を設置するほうがいいと思っています。

意見の分かれるところです。

経験が少ないからでしょうが、今のところT12椎体は経胸腔だけでアプローチできています。

以前のアプローチに比べてほんとうに低侵襲になったなあと感じています。