脊椎の矢状面バランスの測定パラメーターについて
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はじめに
そろそろ新人が入ってくる季節です。
現在の職場に異動してきたときに困ったことを思い出しました。
それは骨盤パラメーターが評価困難なレントゲンが多かったことです。
いろいろ放射線科に注文を付けたら
脊椎外科用の撮像法としてわざわざ独立されてしまいました。
なぜ??
きっと、また新人に指導する機会があると思い、作成しました。
もしかしたら放射線科にあるかもしれませんが、、、
いや、場末の病院なので期待せずに、自ら切り拓いて行こうと思います。
矢状面バランスについて
われわれ脊椎診療科は、変形した腰に対して
「これまで腰が曲がっているから痛いんですね、年には勝てません。」
などと言っておりましたが
SVAやPT、PI-LLなどで評価される矢状面バランスの異常
が
疼痛や機能障害、健康関連QOLに関わっている
ことがわかって参りました。
いったいなんのこっちゃ
です。
理想的な矢状面バランスを獲得することで
「これまで年のせい、受け入れてくださいね」
と言っていた腰痛による生活の障害が改善できそうなのです。
よってこれらの矢状面バランスをしっかり評価できるような撮像が必要なのです。
まず基本用語の理解から
しかし何の準備もない新人技師さんにこのような用語でまくしたてても
なんにも伝わりません。
脊椎診療科が側面レントゲンで評価しているところ、
つまりレントゲン技師さんに撮像してほしいポイントをまとめました。
まずは基本用語の理解が必要です。
・C7 plumb line;C7椎体からおろした垂線
・Cobb角;頭尾側終椎の成す角
・終椎;最も傾いている椎体
・TK: thoracic kyphosis;T5上終板とT12下終板と成す角度
・LL: lumbar lordosis;L1椎体上板とS1椎体上板と成す角度(T12を用いるときも)
・SVA: sagittal vertical axis;先述のC7 plumb lineと仙骨後縁までの距離
・SS: sacral slope;仙骨上縁の線と水平線と成す角度
・PT: pelvic tilt;大腿骨頭中心点から仙骨上縁中心にひいた線と重力垂線と成す角度
・PI: pelvic incidence;大腿骨頭中心点から仙骨上縁中心にひいた線と仙骨垂線と成す角度
・PI=PT+SS
これらで評価される矢状面バランスの異常が
疼痛や機能障害、健康関連QOLに関わっていることがわかっております。

お願いするポイント
よって、
・SVA測定
→
C7椎体から仙椎まで
・TK測定
→
T5上終板からT12下終板まで
LL、SS測定
→
L1上終板からS1上終板まで
PT、PIの測定
→
仙骨上終板中点から大腿骨頭中心点まで
を鮮明にとってほしいのです。
・全脊椎では上記全範囲をできるだけ鮮明に、
・腰椎XpではT5はなかなか困難なのでT12から大腿骨まで入るように、
お願いしまっす!!
本日のまとめ
放射線技師さんにお願いする矢状面パラメーターについてまとめました。
新人技師が来ても大丈夫なように準備しておきたいと思います。
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