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はじめに


骨はリモデリングにより
・海綿骨は年間40%
・皮質骨は年間4-7%
が絶えず入れ替わっているとされます。

骨粗鬆症は骨強度が低下する病態です。

さまざまな薬剤の登場により知識のアップデートが急務です(汗)

骨質について


骨粗鬆症の早期発見には骨密度検診が重要であることは論をまたないですが、
骨質に関してはまだまだ評価が行き届いていないところだと思います。

骨粗鬆症については
2010年にNational Institutes of Health (NIH)のコンセンサス会議において
骨粗鬆症は骨強度が低下する疾患であり、骨強度は骨密度と骨質により規定される
と定義されました。

すなわち骨質は骨密度以外の骨強度因子であります。

骨質を規定するもの


骨質を規定するものは、
①材質特性
②構造特性(微細構造:皮質骨の多孔化、海綿骨の骨梁構造)
です。

骨の硬性成分は
・ハイドロキシアパタイトからなるミネラル成分
・有機成分であるコラーゲン蛋白
から成ります。

コラーゲンは骨の単位重量当たりでは20%程度に過ぎませんが
体積当たりに換算すると、なんと骨の50%を占めるといいます。

骨の強さを高めるためには、この骨質の治療も重要となります。

骨質劣化型骨粗鬆症について


東京慈恵医大の齋藤先生は骨質劣化型骨粗鬆症の概念について述べられております。

骨粗鬆症を
①低骨密度型骨粗鬆症
②骨質劣化型骨粗鬆症
③低骨密度+骨質低下の両方を併せ持つ骨粗鬆症
と分類しております。

そして、骨折のリスクは
①が3.6倍
②が1.5倍
③が相乗効果で7.2倍
と述べられております。

また、①:②:③は5:3:2であったとされ、
けっして骨質劣化型が稀ではないことを強調されております。

このデータをみれば、骨質の治療が重要であることが理解できるのではないでしょうか。

本日のまとめ


場末の救急病院の臨床において、
骨粗鬆症性脆弱骨折はほんとうに多くて、
骨粗鬆症加療の重要性を感じています。

骨質改善の概念もますます重要となって参りました。

これからの骨粗鬆症加療にはucOCや25OHビタミンDでのチェックも重要となってきますね。