硬膜外ドレーンのこだわり
スポンサードリンク
はじめに
脊椎外科医にとって血腫は心配な合併症の一つです。
前方固定後窒息、後方硬膜外血腫、LIFでの腸腰筋内や後腹膜腔血腫、、、
なぜこんなハイリスクな手術をしているのだろう、、、
完全には予防はできないかもしれませんが、とにもかくにも、
①何よりも術中出血させない丁寧な操作
②出血したら丁寧に止血
③洗浄しつつ出血点を確認し再度止血
④閉創が終わってしまったら、あとは硬膜外ドレーンに頼るしかない
⑤そして厳格な周術期管理、具体的には血圧や抗血小板剤、抗凝固剤の管理など
などを心がけているはずです。
硬膜外ドレーンの現状
そんな、④についてですが、
みなさま硬膜外ドレーンにはどのようなこだわりを持っているでしょうか?
当院で採用されているのはSBバックドレーンです。
「つまりやすのではないか?」
と槍玉にあげられるドレーンのひとつです。
使用している理由は、
赴任した時に最初からあったから。
ただそれだけです。
鋼製小物を優先して揃えているうちに、
そのまま特に問題なく過ごしてきた、
という理由もあります。
ウロキナーゼ固定のドレーンがある
全く知らなかったのですが(汗)
ウロキナーゼで固定したドレーンがあるそうです。
その名もニプロUKスリムドレーン
ウロキナーゼ固定化抗血栓性スリット型排液様カテーテル
NIPRO社製です。
そうです、脊椎機器に参入したことでわざわざ、私ごときにご挨拶に参られました。
ニプロも参入、脊椎機器はさらに赤海化
そのときに教えてくださったのです。
UK固定ドレーンのメリットとは
メーカーが推奨するメリットは以下のごとくのようです。

①先端のスリットの溝が3つある
→高い排液効果
②先端スリット部と延長チューブの接合部を短縮
→詰まりやすい部分の一つですね。
排液量が低下してきた時の閉塞を防止。
③先端スリットの内外面にウロキナーゼを固定化
→血液によるカテーテル閉塞の防止
④ポリウレタン製
→引っ張り強度が強い
そして卵型と平型のドレーンバックがあります。
卵型と平型の違い
気になる排液圧の違いは、ニプロの資料によると以下のスライドの通りです。
ニプロ社のパンフレットより抜粋

血腫がどれだけ出るかにもよりますが、、、
平型300mlの方が安心そうですが、
卵型はなんとMRI対応型です。
これは強力なメリットのように思えます。
とりあえずサンプルを頂いたので、今週の腰椎除圧で、使ってみようと思います。
本日のまとめ
頸椎前方固定は血腫が命取りですので、
硬膜外ドレーンにはこだわらないといけないところでしたね。
何かご教示いただけましたら幸いです。
もう一つ、気になるコストは、また調べてお知らせいたします。
SBバックよりもコスト面でメリットが出せます、と言っていたような、、、
あらゆる周術期合併症に対するトラブルシューティングが惜しみなく記載されております。
脊椎外科医必読の書です!
@yotsuba_spineさんをフォロー

コメント
コメント一覧 (2)
わたしもサンプルを2回使いました。それだけでは何もわかりませんでしたが(笑)、すくなくとも詰まってはおりませんでした。コストが従来のものより抑えることができそうなので、わたしもしばらく使ってみます。ボーンミルは、、、移植骨の作成を任せる信頼できるスタッフがいない、というウィークポイントから使用しております(涙)
詰まるかどうかは正直わかりませんが笑、卵型はMRIが取れる事、ウロキナーゼ固定されている事はメリットだと思うのでしばらく使う予定にしています。2箇所曲げられるメリットは今ひとつわかりませんでした汗(表面に針先が届かない!!!てことは減りそうな気はしますが)
先生のところにいろんな営業が行くなんてさすがカリスマですねーーー
ボーンミルの感想も聞かせてください笑