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はじめに


場末の施設で診療をしていると
本当に多くの椎体骨折患者さんに出会います。

典型的と思えない症例で多発性骨髄腫を経験したことをきっかけに、
椎体骨折から代謝性疾患をチェックするべきだな、と思うようになりました。

初回骨折がmyeloma-associated fractureと見抜けなくとも

PTH-intactと25(OH)VDを測定しよう


保険収載のおかげもありますが、
脆弱性骨折症例には基本的に代謝マーカー、Ca、IPに加えて、
・PTH-intact
・25(OH)VD
も測定するようにしております。

すると、副甲状腺機能亢進症を見つけることができると感じました。

実際、骨密度が低下している患者さんに対してPTHを測定することによって
Ca正常範囲内でも副甲状腺機能亢進症を発見する機会が増えてきているといいます。

ただし、二次性副甲状腺機能亢進症を除外する必要があります。

二次性副甲状腺機能亢進症


教科書的には
・慢性腎臓病
GFR<60ml/min
CKD stage3以上

・Vit D不足
25(OH)D<20μg/L

・薬剤・・・ビスフォスフォネート、抗痙攣剤、フロセミド、サイアザイド、リチウム、リン

・特発性高Ca尿症・・・腎臓からのCa流出

・吸収不良症候群・・・セリアック病、嚢胞繊維症

・偽性副甲状腺機能低下症Type1b

などが主な原因に挙げられています。

検査をするとほぼVitD不足が関わってきます。

ちなみに
・PTH低値では、
PTH分泌低下型副甲状腺機能低下症
(二次性副甲状腺機能低下症、低マグネシウム血症、特発性副甲状腺機能低下症、常染色体優性低カルシウム血症など)

悪性腫瘍、サルコイドーシス、不動性、活性型ビタミンD3製剤過剰投与
に伴う高カルシウム血症

などを考えると良いようです。

本日のまとめ


脆弱性椎体骨折を契機に患者さんの骨代謝の評価を行うことは
これからますます大切になって行くと感じております。
引き続き骨代謝も勉強していこうと思います。