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姿勢によって腰椎椎間板にかかる荷重がどの程度かご存知でしょうか?

外来でよく尋ねられる質問です。

「寝るときは、仰向けがいいの?それとも横向きがいいの?」
「立ち仕事より座っていた方がいいの?」

・・・結局色々動くでしょ?いつもおんなじ姿勢でいられるわけないんだから、自分で楽なようにしたら。。。

などとはとてもとても答えられません。

姿勢によって腰椎椎間板にかかる荷重の変化を知っていると少し説明が変わってくるかもしれません。

その人の生活が腰にどのような影響を及ぼしているのか聞きやすくなるし、話しやすくなります。
そしてこの事は患者さん個人の私生活にアドバイスできるので信頼関係の構築にも役に立ちます。

Nachemson AL: J Bone Joint Surgery Am 46: 1077-1092, 1964から
(ちなみに原文は読んでおりません、悪しからず)

日常生活動作における種々の姿勢でL3/4、L4/5椎間板にかかる荷重を比較を示した。
直立姿勢を100とした場合、
・背臥位 25(立位の1/4)
・側臥位 75(立位の3/4、背臥位の3倍)

・立位 100(基準。背臥位の4倍)
・立位前屈 150(立位の1.5倍、背臥位の6倍!)
・重りを持った立位前屈 220(立位の2.2倍、背臥位の8.8倍!!

・座位 140(立位の1.4倍、背臥位の5.6倍)
・座位前屈 185(立位の1.85倍、背臥位の7.4倍!)
・重りを持った座位前屈 275(立位の2.75倍、背臥位の11倍!!

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意外や意外と思われませんか?
座位ではかなり椎間板に負担がかかってます!!

背臥位が腰の椎間板にかかる負担がもっとも軽い姿勢です。

そして前かがみで物を持つ動作というのは本当に腰に悪いんだということがわかります。
たとえ座っていても、、、いやむしろ座位の方が悪い!!

出典は脊椎脊髄病専門医試験集でした。

外来での説明に活かそうと思います。