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はじめに


仙骨骨折についてAOが新しい分類を出しています。

Denis分類、Roy-camille分類などを経て、
AOは骨盤輪骨折の分類で仙骨骨折をC3とし、さらに3つのsubtypeで分けました。

001

Denis分類は縦骨折のみの評価。

002

Roy-camille分類は横骨折のみの評価。

003

HやU、λ型に対応できてない。

新AO分類では縦も横も加味して、さらに神経障害の程度やほかの修飾因子を加味した分類となりました。

大分類はTypeA、B、Cの3つ


まず、TypeA、B、Cの3つに分類します。

001


Type A・・・下位の仙骨、尾骨の骨折
Type B・・・後方骨盤輪の損傷
Type C・・・腰仙椎、骨盤におよぶ損傷


それからTypeA、B、Cにそれぞれ3つ、3つ、4つとsubtypeに分かれます。

順番に見ていきましょう。

Type A


Type A、横骨折です。偏位あるなしで考慮。

002


A1・・・尾骨、剥離骨折
A2・・・仙腸関節以下の横骨折、転位なし
A3・・・仙腸関節以下の横骨折、転位あり


Type B


Type B、片側の縦骨折、Denis分類様です。

003


B1・・・仙骨中央の骨折。脊柱管含む、Denis zone 3
B2・・・仙骨翼の骨折。椎間孔、脊柱管含まず Denis zone 1
B3・・・経椎間孔の骨折。脊柱管含まず Denis zone 2


Type C


Type C、横、縦、腰仙椎の不安定あるなしを考慮します。

004


C0・・・U字(系)型骨折、転位なし
C1・・・片側不安定のU字(系)型骨折。L5/Sの不安定あり
C2・・・両側の完全TypeB損傷。
C3・・・転位あるU字(系)型骨折。


NeurologyとModifier


さらにNeurologyとModifierが加味されます。

005


Neurology

Nx・・・評価できず
N0・・・神経脱落症状なし
N1・・・一過性の障害
N2・・・神経根障害
N3・・・馬尾症候群、不完全脊髄損傷
N4・・・完全脊髄損傷


Modifiers

M1・・・軟部組織損傷
M2・・・骨代謝障害
M3・・・前方骨盤輪損傷
M4・・・仙腸関節損傷


この、Mの評価が意味不明なんですが、、、、
なぜ骨粗やDISHなどと前方骨盤輪損傷や軟部組織損傷と一緒に扱われるのか、、、

とりあえず、Mの話はおいといて、しばらくは皆さんで実際にこの分類を使用しての評価待ちといった現状ですね。

本日のまとめ


骨折は個々で異なり、純粋に分類できないことが多々あります。
しかしただ単純にざっくり仙骨骨折、というよりは、ある程度の共通語が必要です。
分類を理解しておくことは、画像供覧できない状況でのプレゼンや、治療方針を決めるdiscussionでとても大切だと思います。

★★★
手術解剖学のバイブル。整形外科医の机には必ず置いてあるのではないでしょうか!?