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はじめに


わたしこと、とぜんな脊椎外科医は場末のイチ私立病院に勤務する、単なる一本の雑草です。

華やかに研究街道を突き進むエリートでもなければ、公的基幹病院の部長になれるような人間でないのは、記事を読めばすぐバレてしまうと思います(笑)

そんな落ち武者?野武士?のようなわたしなのに、なぜか、他施設の、とある専門医を取って数年の若手脳外科医から電話相談を受けました。

「脊椎外科医になろうと思うのですが、とぜん先生、どう思いますか?」

最近の脳外科救急医状況は悲惨だった


さかのぼること、7〜8年前の職場の脳外科にいた若者でした。
初期研修を終えて脳外科救急医を目指していたと記憶しています。

仕事上では、当直ですこし絡んだくらいかなあ。。。

ああ、やっぱりそうでした。

そして、現在は、頭部外傷、脳血管障害に代表される救急疾患の治療医としてバリバリです。

ただ、昨今の新規の脳外科医不足に窮して、年齢を重ねても仕事内容の序列がいっこうに変わらず、バーンアウトしているようです(汗)。

脳外科緊急手術>>脊椎緊急手術


たしかに、その動機に脊椎外科はマッチしてくれるかな、、、?

脊椎診療では急患がないわけではありませんが、
彼ら脳外科救急医の生活から比べれば、これまでよりは断然QOLは確保されますね。




そして、すでに彼は脳外科医の専門医を有しているので、あとは脊椎外科訓練施設(脊髄外科学会)で研鑽を積むことで、脊椎外科医の認定を得ることができます。




脊椎診療は君に魅力的か?


あとは実際の脊椎診療が彼にとって、魅力になるかどうかですね。

わたしが感じる魅力としては、外来での診断、に尽きます。

診断できなければ、手術しても改善は得られません。
保存加療で改善できて、不必要な手術を回避できることもあります。

とにかく診察力が大切です。

そして、手術が上手な先生は、保存加療もお上手なんですよね。

それは的確な診断ができるからだと思います。
わたしもそうありたいと常々思って診療に当たっています。

その結果、健康寿命を伸ばして、高齢者が活躍できる社会をつくる。

これが脊椎最高!!だと思いますね。




脊椎外科医はまだまだ希少価値あり


それに、脊椎脊髄病学会や脊髄外科学会によれば、手術加療を行っている脊椎外科医は各々の学会総員の約1割程度ということなので、脊椎外科医師は、まだまだ希少価値があります。

さらに、現時点での診療報酬は他の外科手術とくらべて、はるかに高いです。
拍車をかけて、インプラントの値段もすさまじいです。

よって病院経営的にも脊椎外科は、金を産むマシーンです。

そんな理由で、わたしのような雑草でも、病院からは非常に重宝していただけます。

ただ、ここに関しては、いつまでも春を謳歌できないとは思います。

敬愛する整形外科医のブログのこの記事を読んでみてください。




とてもリアルな話です。

本日のまとめ


まさか、前途ある若者から、そんな大事な進路相談をされるとは思ってもいませんでした。
こんな場末の泡ブクのわたしに、、、

わたしは脊椎診療をとてもやりがいある仕事と感じておりますので是非応援したいと思いました。

1年程度、脳外科診療を離れて、訓練施設などで訓練してみて、脊椎診療を体験してみるのもいいのではないかと思いました。

脊椎は整形にとっても脳外科にとっても、転科、まではいかないです。

君はすでに脳外科医としてのスキルがあるんだから、
脊椎診療に魅力を感じなかったら感じなかったで、脳外科救急に戻ればいいじゃないですか。

その時は決意新たで、違う風景が見えるのではないでしょうか。

ただ、わたしは、整形、脳外の距離感が縮んできたとは言っても、脳卒中診療の片手間時間で脊椎診療を行っている脳外科医師に対してはあまり快くは思っておりませんので、そうはなってほしくないですね(笑)。

ちなみに今の職場の入職は、m3で交渉してもらいました。

☆☆☆当直のない生活をはじめました。