カテゴリ:
スポンサードリンク

はじめに


リクラストは年に1回の点滴静注薬です。

1年に1回でいいの!?
これは本当にすごい事です。

骨粗鬆症の治療の重要課題は、いかにアドヒアランスを向上させるか?、です。




骨粗鬆症治療は早期にドロップアウトし、再骨折してしまうことが大きな問題です。

経口ビスフォスフォネート製剤に関しては、治療開始後1年でほぼ半数が脱落すると報告されています。

リクラストについて


一方で、リクラストを投与すれば、1年は確実です。
そして点滴静注なので、医療機関で行う必要があります。
このことも、内服を患者任せにするより一層確実性を高めます。

ところが、この薬剤に関する懸念があります。

それは、急性期反応としての発熱です。
スクリーンショット 2018-07-22 16.51.51

投与後だいたい3日以内に、発熱、筋肉痛、インフルエンザ様症状が出現してきます。
30〜60%近く発生するようで、看過できない問題です。

発熱にどのように対応すればよいのか


この対策として、メーカーはアセトアミノフェンの内服を推奨しております。

リクラストの適正使用について、発売元の旭化成ファーマがPDFを提供しています。
リクラストの適用使用

カロナール(300) 3×という感じかな。

このPDFには、発熱の程度はいずれも軽~中等度、、、とありますが、実際はいかがなものでしょうか。

そもそも、この薬剤が適応になる患者は、高齢者女性がほとんど。
しかもやせた、いわゆるサルコペニアの状態になっている方ばかりです。

アセリオはどうだろうか


わたしは、現在は、採血上で問題がないことを確認したのちに、アセリオを投与してから、リクラストを使用しています。

とりあえず、現時点では骨粗鬆症、後弯変形、腰痛の病名で査定はされていないようです。

そして、この方法にして、発熱を問題にした患者さんは幸いおりません。
もちろん事前に発熱のことを伝えているので、許容できる範囲だったのかもしれません。

ただし、リクラストはただでさえ急性腎機能障害が問題となる薬剤なので、発熱予防軽減のため、非ステロイド性抗炎症薬の腎毒性についても十分な注意が必要ですが。。。

本日のまとめ


リクラストの急性期反応、発熱の対応についてまとめました。

ちなみに、初回投与に比べ2回目以降の投与では発現率は低下するようです。
また、すでにBP製剤の内服投与歴のある患者では発現率は低下します。

ほかにもカルシウムのモニタリングや、使用前の歯科連携が最重要であることは論を俟たないことです。







★★★
手術解剖学のバイブル。整形外科医の机には必ず置いてあるのではないでしょうか!?