腹臥位での胸骨骨折発生がまだまだ続いている、、、
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はじめに
だいぶ以前腹臥位手術後に胸骨骨折が判明したことを記事にいたしました。
術翌日に胸骨骨折が判明しました。一体いつ折れたんだろう、、、
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年7月15日
腹臥位?それとも体位交換?今後骨粗鬆症患者の増加により重要な体位合併症として周知していくことが大切かもしれない。https://t.co/mQNuEaR3ir
投稿した日時は、2017年10月27日。
いまそれから約9ヶ月経過しています。
ベッド会社MIZUHOの担当者と相談し、パットを変えてみました。。。
ところが、実はまだ胸骨骨折発生が継続しています。
いったいなぜなんだろう。。。
それなりに興味をもって胸骨骨折をしらべていますが、今の所、どのように対策してよいのかわかりません。
胸骨切開する胸部外科の先生にも相談してみたのですが、
「アプローチで破壊してしまうので、あまり気にとめていない」、と。
ただ、胸骨においても骨質の悪さは感覚でわかるそうです。
非外傷性の胸骨骨折について
胸骨骨折は諸家らの報告によると全骨折中のわずか0.1〜0.4%程度といわれております。
原因としては、交通事故のハンドルによる打撲が最多です。
そのため、ハンドル骨折とも呼ばれます。
通常、単独骨折はまれで肋骨や肩甲骨、鎖骨、胸椎と合併していることが多いとされます。
胸椎椎体骨折と胸骨を関連づけると、胸骨骨折272 例の対象に9.6%に脊椎骨折を認めたと報告しています(Brookes,J.G. et al: J. Traum a, 35: 46-54, 1993.)。
腹臥位操作での胸骨骨折発生の報告は渉猟できません。
過去の文献ではステロイド性骨粗鬆症や骨髄腫に合併した非外傷性胸骨骨折の報告が見られます。
松本先生らの報告では、原発性骨粗鬆症を原因とする非外傷性胸骨骨折はらの報告おいて、本邦では自験例を含めて9例あります。
胸骨骨折の機序
どうやら、後弯変形を認める胸椎に軽微な外力が加わることで胸骨体上部に骨折を生じています。
・直達外力による胸骨骨折は、胸骨柄結合(胸骨角)付近に生じることが多いのに対して
・介達外力による胸骨骨折は胸骨柄部または体部に生じるようです。
この文献では介達外力による胸骨骨折として、屈曲-圧迫ストレスがかかることにより、胸骨体部に骨折を生じるのではないかと考察しています。
ほか
・胸椎の後弯変形により、上下方からのストレスが持続的に胸骨に加わる
・加齢に伴う肋軟骨の骨化によりストレスが胸骨に伝わりやすくなる
などとも考察されています。
これらの考察に完全に同意です。
わたしの経験した4症例も、
1) 胸椎ー胸腰椎移行部の椎体骨折の症例で、
2) 胸椎後弯がそれなりにある、
3) 骨質の悪いやせた女性
ばかりなんです。。。。
本日のまとめ
今後の高齢化社会、低侵襲脊椎手術の隆盛などを考慮すると、
おそらく従来では経験されなかったような骨粗鬆症関連の合併症が発生していくものと思われます。
そしてしっかり対応していくことが望まれます。
パットを交換したくらいでは防げませんでした。
骨粗鬆症用に、もっと胸骨に対して優しい体位、ベッド、アクセサリー、なにかしら考えていかないといけないと思います。
腹臥位でかかる胸骨の負荷の解析、胸骨体部のCTハンスフィールド値とDEXAとの関連など興味あります。
どうアプローチしていけばよいのだろう、、、
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