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はじめに


腰椎椎間板ヘルニアは30~50歳のL4/5、L5/S1椎間板に多く発症します。

代表的な症状は坐骨神経痛です。

周りの人に理解されないくらい症状が激烈で、仕事や日常生活が困難になります。

これら椎間板ヘルニアによる痛みは激烈で非常につらいですが、80%程度、つまりほとんどのケースが保存加療で改善します。

逆に言えば、1〜2割程度、外科的加療を選択せざるを得ない方もいらっしゃいます。

しかし、保存的加療で改善、と言っても、治療期間には概ね4週から12週程度は必要なので、
痛みをこらえる期間が長い、という捉え方もできます。

8月から椎間板ヘルニア治療剤として新たにコンドリアーゼというものが登場してまいります。

一般名「コンドリアーゼ」は、腰椎椎間板ヘルニア治療剤「ヘルニコア椎間板注用1.25単位」

髄核のグリコサミノグリカンを分解する酵素を注入する治療です。

これにより、椎間板ヘルニア加療に新たな治療選択肢がうまれました。
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作用機序


後縦靭帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア
に適応があります。

作用機序は
ヘルニコア添付文書より
コンドリアーゼは、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン及びヒアルロン酸の分解作用を示し、椎間板髄核中におけるグリコサミノグリカンを分解して髄核の保水能を低下させ、椎間板内圧を低下させることによりヘルニアの臨床症状を改善すると考えられている。

となります。

基本的には内服加療やブロック療法、リハビリ療法、物理療法などを行います。
しかし、改善が得られない場合は手術加療にならざるを得ませんでした。

そんな時に、コンドリアーゼがトライされるかと思います。

技術算定料について


脊椎外科診療を専門にしていなければスルーされてしまいがちかと思います(笑)が、、、

日整会広報室ニュースに、
コンドリアーゼ使用の技術算定料について
の案内がありました。

日本脊椎脊髄病学会および日本脊髄外科学会等が認定した施設において、
K126脊椎、骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除によるもの)(2)その他のもの

4,510点を算定できます。

算定にあたっては、上記学会から認定された施設であることを証する文書の写しを添付すること
とあります。

つまり、認定施設でなければ、治療できない、ということですね。

目を通しておきましょう。

医師要件として


①日本脊椎脊髄病学会もしくは日本脊髄外科学会指導医、その指導下にある医師※、もしくは本剤の治験に参加した医師
②椎間板穿刺経験がある、もしくは椎間板ヘルニア手術50例以上の経験がある医師

※指導下にある医師については、自施設の指導医の許可を得ること

施設要件として


①X線投資設備(Cアームなど)があり清潔操作のもと本剤を投与可能な施設
②ショック・アナフィラキシーに対応可能な施設
③緊急時に脊椎手術ができる、または脊椎手術ができる施設と連携している施設
④入院設備がある施設

となっております。

本日のまとめ


新しく始まるコンドリアーゼの髄核内注入による後縦靭帯下脱出型椎間板ヘルニアの治療についてまとめました。
椎間板ヘルニアの治療の新たな治療選択肢といえそうです。

わたしのところではまだなので、使用のための手続きについて、また後日記事にできればなあ、と思っています。

薬剤の添付文書はこちら

治療効果が期待されます。

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