人工呼吸器中の鎮静のスコア
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はじめに
多椎間の前方除圧固定の患者さんでは、気管内挿管を継続したまま集中治療室に帰室することになります。
わたしの施設では、頼りになる麻酔科の先生が、適切に指示を出してくださるので大変助かっております。
とぜん「ほどよく眠っているね、、、麻酔科の先生はすごいなあ!」
看護師さん「RASSで−2くらいですかね〜、このまま調整していきますね!」
とぜん「よろしくお願いします(なんのことだろう汗汗)」
人工呼吸器中の鎮静スコア
このままではいけないな、と思った次第です(汗)。
なにやら、鎮痛のスコアがあるようです。
まったくの無知でありますので、麻酔科の先生が出してくださる指示に基づき、まとめました。
プレセデックス(デクソメデトミジン)の用い方
プレセデックス(丸石製薬)を使用しております。
「precede」(先立つ、優先する)と、化学名「dexmedetomidine」から命名されたそうです。
・初期負荷投与:6μg/kg/hrの投与速度で10分間静脈内投与→血圧上昇に注意
・維持量:0.2~0.7μg/kg/hrの範囲で適宜調整→低血圧・徐脈に注意
・状況に応じて最初から維持量で使用してもよい。
この、適宜調整についてですが、ここで、鎮静のスコアに基づいて指示されます。
RASS:Richmond Agitation-Sedation Scale
RASS:Richmond Agitation-Sedation Scale
Step 1:30秒間患者観察(0~+4)
Step 2:1.大声で名前を呼ぶか、開眼するように言う
2.10秒以上アイ・コンタクトできなければ繰り返す
3.動きが見られなければ肩を揺するか、胸骨を摩擦する
+4:好戦的な:明らかに好戦的な、暴力的な、スタッフに対する差し迫った危険
+3:非常に興奮した:チューブ類またはカテーテル類を自己抜去;攻撃的な
+2:興奮した:頻繁な非意図的な運動、人工呼吸器ファイティング
+1:落ち着きのない:不安で絶えずそわそわしている、しかし動きは攻撃的でも活発でもない
0:意識清明:落ち着いている
-1:傾眠状態:完全に清明ではないが、呼びかけに10秒以上の開眼およびアイ・コンタクトで応答する
-2:軽い鎮静状態:呼びかけに10秒未満のアイ・コンタクトで応答
-3:中等度鎮静状態:呼びかけに動き又は開眼で応答するがアイ・コンタクトなし
-4:深い鎮静状態:呼びかけに無反応、しかし、身体刺激で動きまたは開眼
-5:昏睡:呼びかけにも身体刺激にも無反応
まったく知りませんでしたね。。。
このスケールがあれば、共通語として、患者さんの鎮静状態がよくわかりますね!
まずは
・RASS-1~-3は呼びかけ刺激に応答
・RASS-4,-5は身体刺激
というざっくりした覚え方でもいいかもしれません。
本日のまとめ
これまでICUでの管理は完全にお任せ状態、無関心であったことを暴露してしまった結果になりました。
RASSを用いて、わたしもしっかりICU看護師さんとの会話に加わることができそうです。
ICU管理はできませんが、、、
こんな記事も書いてます。
ICUでのせん妄のときに、原因薬剤がないかどうか検討することは主治医として大切な行動だと思います。ICUスタッフにまかっせっきりにしがちなので反省。https://t.co/OpI0QXSS4l
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年8月10日
術後せん妄のリスクファクター、トリガーで考えられることについてまとめ。https://t.co/u5P3DW2cKY
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年8月10日
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