頚椎椎弓根スクリュー刺入のためのステップアップ
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はじめに
頚椎椎弓根スクリューの記事を書くことで、CPSの達人かのように思わせている節がありますが、それは違います。
刺入のときは、いつも失神しそうになるし、前日は不安で不安で仕方ありません。
しかし、必ずCPSでなければならない症例がある、修練し備えておく必要がある、という気持ちでおります。
どのようなステップが必要か考えてみました。
術前の計画が大事
CPS刺入は、
・術前の計画と、
・その計画とおりに遂行するための術中の測定
・透視の設定
がとても大事です。
そのため、術中ナビあるいは術中透視は必須です。
ナビを所有していないわたしの施設では、CPSを用いるときは、刺入点の測定がすべてです。
正確に測定するためにはキャリパーは必須の道具だと思います。
わざわざ工務店で購入したんですが、もってるんじゃん!!https://t.co/0KmidQQ88m
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年3月9日
ただ、それ以上に大切なことがあります。
それは、自分の限界を見定めること、です。
決して無理はしない
頚椎は頸髄や神経、椎骨動脈などの構造物が近接するため、失敗は大惨事につながる可能性が高いです。
よって、けっして無理はしてはいけません。
具体的には、
・変性が強く、骨性のメルクマールがわからない
・椎骨動脈が片側閉塞している場合の開通側
・椎弓根の径が4.0mmに満たない
・PSの刺入角度が45度よりも険しい
こんなときは、わたしはCPSを用いておりません。
自分の現在の技量では無理です。
もしかして術中Oアームナビゲーションがあれば、補完してくれるかもしれませんが、、、
自分で無理かな、と思った場合に、選択してはいけません。
いきなり中下位頚椎で挑戦しない
さらに、いきなり中下位頚椎のPS刺入に挑戦することはは難しいでしょう。
危険すぎます。
まずはC7やT1、T2などで修練を積むのが大切ではないでしょうか。
C2も刺入角度が小さいので、椎弓根の径や、VAのhigh ridingの走行が問題にならない症例ではPSを用いてよいと思います。
変性疾患よりは外傷を
症例も、変性にとぼしい外傷症例からが望ましいでしょう。
骨のメルクマールは超重要です。
キャダバートレーニングを積極的に利用する
いきなり患者さんでトライするのも慎むべきだと思います。
しっかりキャダバーでトレーニングをすることが大事だと思います。
指導医を招聘して行う
さらに、手術では指導医を招聘して、万全の体制を整えることが大事です。
本日のまとめ
頚椎の固定では、必ずCPSでなければならない症例がある、修練し備えておく必要がある、という気持ちでおります。
おおきな合併症を起こさないようにするために、十分な準備と、細心の注意を要します。
ということで、今月は今年2回めのキャダバートレーニングを受講してきます!!
頚椎椎弓根スクリュー刺入には、3拍子そろったSプローブが、俊逸すぎます。
— 四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年8月16日
①側面透視で角度が一撃でわかる
②真上から見ることでプローブの先端を理解する
③Sポイントまでの深さは黒のマーカーで把握するhttps://t.co/YWG9xhsVqF
★★★
手術解剖学のバイブル。整形外科医の机には必ず置いてあるのではないでしょうか!?
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コメント
コメント一覧 (2)
まさにキャダバー真っ最中です。外に出るととても刺激になりますね!頚椎の後方固定も勉強になりました。インドネシアやタイ、韓国、中国、台湾などからもいらっしゃってて、とにかく英語力ですね、、、毎回反省するのですが、、、
カダバー行きたいー