腰痛だからといって、いつも腰椎由来というわけではない
スポンサードリンク
はじめに
腰痛を主訴に来院されたとき、、、、
やっぱり脊椎診療科が初診を担当することが多いです。
最初に気になることは、
それ、ほんとうに脊椎由来なのかな?
です。
整形外科的疾患ではなく、
「非整形外科的疾患による腰痛」
にいつもアンテナを立てておくことが、とても大切なことなのです。
脊椎診療科に紛れ込む可能性ある内科的疾患
脊椎診療科に紛れ込む可能性ある内科的疾患は思いつくだけで、以下のものがあります。
・心筋梗塞
・腹部大動脈瘤、大動脈解離
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・膵炎
・尿路結石
・婦人科系疾患
・出血
このような疾患はとても怖いものばかりですよね。
のんびり腰椎疾患として内服加療でようすみて、次回外来で効果判定!、など言ってられません。
こんなエピソード、症状は怖い
そして、こんなエピソード、症状は怖いです。
「急にきっかけなく痛くなってきた」
「急にはげしく痛い」
「胸にまでひびく」
「腰だけでなく背中にかけても痛い」
「安静にしていても痛い」
他の症状
「血圧すごく高い」
「冷や汗ダラダラ」
「過換気がち」
「全身のふるえ」
「発熱」
「体重減少」
「排尿や排便に応じて・・・」
「血尿が、、、」
「月経に関連して・・・」
「空腹、食後に関連して・・・」
今回の症例
・車椅子にのってうずくまっています。
・今朝から突然痛い
・冷や汗ダラダラ
・過呼吸みたいになってます
・背中から下腹部にかけて痛い
まあ、腰椎ではないですね。
(腰も痛いから、脊椎にくるわなあ、、、)
叩打痛があったのでCT撮像すると、結石でした。
で、泌尿器科受診するころにはさらに排石されたのか、痛みはだいぶ落ち着いたそうでした。


本日のまとめ
腰痛診療をしていると、初診はだいたい総合診療科ではなく、脊椎外科に振られます。
常に非整形外科疾患由来の痛み、と思って診療に入ったほうが無難です。
腰痛診療の中では、このような格言があります。
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2018年9月11日
レッドフラッグを見逃すな!
高齢、というだけでレッドフラッグに引っかかってしまうのですが、
複数項目にまたがる場合は、レントゲンのみでなくCTあるいはMRIまで撮像しておいて間違いはない、と思います。https://t.co/T33pZkdD7f
★★★★★
星地先生の経験と知識が余すところなく収められております。教科書らしくない教科書で、非常にわかりやすい!そして、なにより面白いです。絶対に一読すべきテキストです。
@yotsuba_spineさんをフォロー

コメント