キャノピー®登場。VSセンターピース®の軍配はどちらに?
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はじめに
ようやくわたしの診療圏にキャノピー®が登場しました。
キャノピー®は、Globus/αテックの片開き式の頚椎椎弓形成術用のインプラントです。
わたしは頚椎椎弓形成術は、片開き式で行っているので、どのようなシステムなのか期待していたところでした。
今度扱う予定なので、予習したので印象をまとめておきます。
対象は頚椎&胸椎
意外なことに、対象部位は
頸椎&胸椎
でした。
キャノピー®は片開き式頚椎椎弓形成術のインプラント、つまり頚椎用のものと思っていましたが、胸椎にも使用できるとのことです。
胸椎に椎弓形成のニーズがあるかどうかは置いといて、除圧固定時の選択肢に入れておいたらいいかなと思います。
はっきりいって軍配はキャノピー®になるかな
片開き用のインプラントには、センターピース®があります。
これはメドトロニック社製のものです。
手技書を読んでみて、、、どちらに軍配が上がるか、、、
手技書上は、はっきり言ってキャノピーの勝利です。
個人の感想なので、ご容赦ください。
センターピースに抱いているわたしの不満をすべて解消してくれているように思えます。
・・・まるで、わたしが開発に携わったかのような出来栄え!!とさえ感じるほど。
キャノピー®の特徴
わたしが注目したキャノピー®の特徴は以下の通りです。
1. ラミナスプレッダーが付属。もしかしたら俊逸かも。
2. プレートホルダーで把持しながら、スクリュー固定することができる。
具体的に考察してみます。
1. ラミナスプレッダーが付属

椎弓形成術で起こると嫌な合併症の一つに、
hingeの骨折、落ち込みによる神経障害
があります。
hingeを強く固くして骨折しないようにしたいところですが、そうすると椎弓挙上がうまくいかず、結果小さいスペーサーになってしまうようであれば、除圧が不十分で本末転倒です。
一方でプレートを入れやすくするコツはhingeをプラプラにすることです。
そうするとhingeが容易に骨折します。
そこで椎弓スプレッダーを用いることにしました。
田中医科に俊逸な椎弓スプレッダーがあり、それを用いることで、強いhingeをつくることが容易にできるようになりました。
このキャノピー®には自前で購入しなくとも椎弓スプレッダーが付属しているようです。
手技書上のイラストではとても使用しやすそうな印象でした。
さらに、スプレッダーで開いた状態で、その隙間からプレートを挿入できるようです。
これはかなり手術が簡単になるのではないでしょうか?
2. プレートホルダーで把持しながら、スクリュー固定することができる

そして、これもセンターピース®でときどき発生する問題点の一つですが、椎弓側にスクリューを刺入しているときに、トルクが強くなってくると、椎弓も一緒に回転しようとするため、hingeが骨折してしまうことがあるのです。
プレートをガッチリ保持するか支えるかすることで、椎弓が一緒に回転することがなくなります。
ただ、センターピース®の把持器では、プレートをしっかり把持できないんです。
キャノピー®のプレートホルダーはしっかりしていそうです。
しかもプレートホルダーで把持しつつ、同時にスクリューを入れられるので、かなり俊逸に感じます。
本日のまとめ
以上、キャノピー®手技書の予習でした。
大事なことは使用感ですよね。
デモしてもらって、実際に使用してみた印象をまたレポートしたいと思います。
ときに、この椎弓プレートシステム、機材費半端ないんですよね。。。
償還価格は努力しようもないのですが、
プレート、38,600円
スクリュー、63,400円
一方で、スペーサーは3,400円・・・かなり違います。
4椎弓形成で、プレート四枚、スクリューを3本×4=12本使うと、、、
う〜ん、これらが外資に流れ込んでいくんですから、、、
話がそれてしまいましたが、キャノピー®を使用するようになると、センターピース®を使用する理由がなくなくなってしまいそうな予感がします。
頚椎症性脊髄症の基本手術である、頚椎椎弓形成術。
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年1月11日
わたしはお師匠さんの影響で、片開き法を好んで用います。
メドトロニック社製のセンターピースが改良されたので、使用感をレポートします。
メリットだけでなく注意点もありますので、性格を把握しておきましょう。https://t.co/0NSKiyW7dL
頚椎椎弓形成術を受ける方へhttps://t.co/xeBPk113V7
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年1月11日
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