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とぜん.001

はじめに


いまわたしはPLIFを行うときは、積極的に3Dテンプレートを作成し、ガイド下のCBTを行っています。

これには「MySpineMC」というメダクタのシステムを用います。

残念ながら、ライセンス制で誰でも使用できるわけではありません。
キャダバーでの研修を必要とし、鋭意全国展開中です。

その流れや作成の仕方をときどき質問されるので、記事にいたしました。

放科に画像データをCD-Rに落としこんでもらう


まず撮像した画像データを放射線科に依頼してCD-Rに落とし込んでもらいます。
必要な画像条件の詳細は失念してしまいましたが、通常の3D再構成できる条件であればなんの問題もなかったと思います。

担当MRさんが放射線科としっかり確認してるので安心です(笑)

このCDデータを担当MRさんが、メダクタの3Dテンプレート作成用のデータベースにWebで送ってくれます。

テンプレートはメダクタのWeb上のサイトで作成します


すると、ほどなくしてわたしのメールアドレスに通知されます。

「テンプレートつくる準備できたよ。早速、こんな感じで作ってみました。あとは自分の好みで微調整してみて。」

この段階でメダクタの3Dテンプレート作成用のサイトにアクセスします。

ライセンス(個々のIDとパスワード)はメダクタの研修を受けたあとにを得ることができます。

ちなみにはじめてアクセスしたときは表題が「MyKnee」だったのでおどろきました。
そのまま「認証オーケー」のボタンを押したら「MySpine」に移動しました。

そこには、転送された患者さんの腰椎データと、すでに作成されたCBTスクリューのサイズや方向が出来上がっています。

・これでOKと思えば、そのまま承認。
・もうちょっと自分好みに変更したいと思えば、調整して承認。

という手順になります。

ネット環境が必要ですが、特別なソフトをダウンロードする必要はありません。
Web上のメダクタのサイトにアクセスするだけで完結します。

自分のPCでの作業はこんな感じ


自分のPC上での作業はこんな感じです。

ブログに直接動画を貼り付けることができないので、Twitterを介します。
作成している雰囲気がなんとなくおわかりになれるのではないかと思います。


ちなみに、今回の症例は他院のrevisionです。

これまでもrevision(いずれも他院オペ後のもの)は2例施行してみましたが、テンプレートが設置するための椎弓が残っていれば大丈夫でした。
もちろんPPSやopenにconversionできる準備をして望みました。

さらに今回はφ7.0×45mmのCBTスクリューを作成してみました。

さすがにφ7.0は初体験。
φ6.0でもかなり強いトルクでした。

なので、当日はもしかしたらφ6.0で終えるかもしれません。

テンプレートが届くのに2〜3週間の時間を要する


メダクタはスイスの企業です。
よって3Dテンプレートはスイスで作成され、日本に空輸されます。

金銭的なものは患者さんにも病院側にも発生しませんが、およそ2〜3週の時間を要するところが難点です。

ただ、それは現在の時点であって、将来的にはもちろん改善されていくのではないかと思っています。

本日のまとめ


この3Dテンプレートはとにかく正確です。
慣れてくれば慣れてくるほど刺入に対してストレスがなくなっていくことを感じます。

もちろん、スクリューを打つのが手術の目的ではなく、しっかり骨癒合を得ることが最重要事項であることは論じるまでもありません。

つまり、本来もっとも重要な椎体間固定に思いっきり精神集中できることが快適なのです。

術者にはいろいろな哲学があり、そのそれぞれが最適解だと思います。

わたしにとっては、いまはこのマイスパインを使いこんで、より椎体間固定の成績の向上をめざしていきたいと思っています。

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