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はじめに


成人脊柱変形の手術やMOB salvage手術などで、もう標準手技となったSAI (S2 alar iliac)スクリュー。

「S1 pedicle screwのヘッドと一直線に並べることができるため、ロッドの連結が容易」
というのが大きなメリットです。

とはいうものの、実際は予定よりも内側に入って、ロッドを内側に曲げないと連結できないことって結構ありませんか??

もしかしたら、通常のPSよりもCBT軌道のほうが、より一直線に並べられるかも、と思っています。

わたしがよく利用しているメダクタのMySpineで、SAI用のテンプレートの開発が進んでいるそうで、より容易に腸骨にアクセスできるのではないかと、とても期待しているところです。

SAI刺入点のおさらい


SAIの刺入点や角度は研究ごとに若干異なっていますが、概ね以下の通りになります。

・S1/S2後仙骨孔の中間点で外側縁
・20°から30°尾側
・30°から50°外側

患者さんごとに異なるので、決まりはありません。

3Dテンプレートを使って容易に一直線に設計できるようになる?


これは、DePuy/Synthes、Expediumの手技書からです。

手技書のとおり、おおむね、通常のPSでSAIまで一直線に並ぶように打てます。
打てることが多いです。

202004とぜん.002


そうはいっても、両S1幅より内側に入って、結果、ロッドを内側に曲げないと連結できないというケースが生じることも事実です。

おそらくCBTの軌道であれば、もっと確実に一直線に並ぶのではないかと考えています。

多分、こんな感じ。
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メダクタのMySpineで、SAI用のテンプレートの開発が進んでいると伺いました。

より容易に腸骨にアクセスできるのではないかととても期待しているところです。

本日のまとめ


SAIスクリューは、もう標準手技となっています。

腸骨に穿つスクリューは逸脱は重要臓器や血管損傷の恐れがあり、とても怖いです。

さらに、あらかじめ計画的に刺入点を設定しておかないと、腰椎スクリューとの連結に手間取ります。

メダクタのMySpineはあらかじめWeb上のプラットフォームで設計図を作成できるので、術中のストレスが少ないです。

SAIもできるようになったら、ますます便利になることと期待しています。