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はじめに


もうバイパープライム®が手放せません!

使えば使うほど、このシステムの良さに惚れ惚れします。

これこそ次世代の経皮スクリューです。

PPSを刺入するとき、わたしの施設では2面透視を用いて行います。

バイパープライム®は、この2面透視との相性が抜群なのです。

PPS刺入は透視が必要


今やPPS:percutaneous pedicle screwは外傷やメタ、感染などにも積極的に導入され、習得しておかなければならない技術のひとつとなっています。

経皮的にスクリューを打ち込むので、透視下に行うのが通常です。
(ナビゲーションは今回は無し、ということで)

透視あわせのポイントは、以下の通りです。

正面像
1. 終板をそろえる。
2. 棘突起を参考に、椎弓根が左右対称になるようにそろえる。
3. すると椎弓根の的が椎体上1/3くらいにくる。

側面像
1. 終板をそろえる
2. 椎弓根・椎間孔を重ね合わせる
3. 正しい後壁が得られる

透視一台使用での手順


透視一台使用での椎弓根スクリュー刺入の手順は、
正面像→側面像
となります。

まず、正面像でPAKニードルやJプローブを刺入します。
①椎間関節横突起基部を刺入点に椎弓根に向けて皮質骨を貫通 
②そのまま椎弓根の的(まと)のど真ん中に誘導
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ついで側面像に移行。
③深さを確認します。
刺入点が正しくなければ、浅かったり逆に深かったりします。
④先端が椎弓根の真ん中と椎体後面の境目の間くらいに入っていればその角度で刺入してOKです。
⑤ガイドピンを刺入して、外筒をぬき、スクリュー刺入です。
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刺入点がずれたり、ガイドピンの角度に逆らったりすると同じ軌道にならないことがあるので時々透視を確認しながら刺入します。

PPS導入初期からシングルの透視で行っている施設であれば、
これらの一連の正面→側面の手順でに十分慣れてしまっているかと思います。

実はこれと同じ手順ではバイパープライム®の良さを十分には引き出せないと考えています。

バイパープライム®は2面透視との相性が抜群


バイパープライム®は2面透視との相性が抜群です。

わたしは、バイパープライム®の良さを最大限に引き出すためには、2面透視が必須かもと感じています。

バイパープライム®の手技は、単純にスクリューに付随する1.65mmのスタイレットを椎弓根に刺入するだけです。

2面透視を用いれば、
①正面像;先端のスタイレットが皮質骨貫通、同時に側面像;横突起基部 
②正面像;伸ばしたスタイレットが椎弓根の的(まと)のど真ん中、同時に側面像;椎弓根の真ん中と椎体後面の境目の間くらい

をそれぞれワンショットで同時にチェックすることができます。

そして、そのまま一気にスクリュー挿入へGoです。
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シングル透視だと、深さの情報が正面像では得られないので、側面での確認の作業が必要になります。

2面と比べると、手順が倍増します。
結局、通常のPPSと作業手順はなんら変わらず、せっかくのプライムの短縮感が得られないのです。

また、横突起が小さかったり、椎体がなだらかだったりすると、一見、正面では正しい刺入点に見えても、側面像にセッティングして初めてスタイレットが深いところに刺さっていることに気づく場合があります。

これは、手間というよりも、実は却って危険なところだと思います。むしろバイパープライム®のピットフォールともいえるでしょう。

2面透視であれば、刺入点を2方向で同時に確認するので、スタイレット刺入の時点で深さの情報があります。

このような事態を避けることができ、安全・迅速な手技となるのです。

なので、プライムこそ2面透視を導入して、刺入するのがよいです。

もちろん従来のPPS刺入法でも、可能な限り、2面透視を用いることをオススメしたいです。



本日のまとめ


バイパープライム®はシングルの透視ではその良さを十分に引き出せないと感じるようになりました。

もし施設内でシングルから2面透視の導入を迷っているようであれば、バイパープライム®と組み合わせてみてください。

相性はバツグンです。

数例経験するだけで
①手間が少なく
②被曝量が少ない
③正確に椎弓根を捉える
のメリットを最大限に引き出せると思います。

いまは、スクリュー刺入に必要な透視時間は1本あたり、およそ20秒前後くらいに短縮されています。

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MIStに関わろうとしている脊椎外科医へ。手技に関する待望のバイブルが完成です。