そんな手があったのか!バイパープライムだからこそできる正面透視のみのPPS刺入法
スポンサードリンク

はじめに
私見ですが、現時点でPPSはDepuy/Synthesのバイパープライムが一番だと思っています。
プライムのコンセプトはまさに新規の革新、進化で、他社製品の追従を許しません。
そして、バイパープライムは、2面透視との相性が極めて抜群だと思っています。
2面透視でPPSを刺入している施設は、ぜひバイパープライムを試してほしいです・
そして、もしこれからPPSを導入しようとしているならばぜひ、バイパープライムを2面で用いてみてください。
素晴らしさを実感できると思います。
単純な一椎間の固定や、外傷、感染、メタの治療など、プライムを用いてぜひ挑戦されてみてください。
弱点のひとつに「重い」というものがあります。
バイパープライムは、重い
バイパープライムは、はっきりいって「重い」です。
なので、刺入の角度がわりと強斜位になった場合、スタイレットを椎弓根に刺入しただけでは、スクリューシステムが自立できない場合があります。
そうするとわたしのように単身で手術を行っていると、手が足りず、スクリューを支えながら他のスクリューを同時に入れていくことなんてできません。
よって透視ひとつでプライムを打つ場合、正面透視でJ probeのように、複数本を同時に刺入するわけにはいかず、1本のスクリューを刺入する都度、透視を正面像から側面像に回し、スクリューを最後まで刺入しないといけません。
スクリューを1本入れ終わったら再度透視を正面にあわせて、次のスクリュー刺入を始める、、、
これは結構な手間です。
せっかくプライムで手順が省略できたとしても、かえって透視の手間が増えてしまう可能性があります。
なのでsingleの透視を用いている施設にはバイパープライムの素晴らしさを十分引き出せないかもしれないなと思っていました。
プライムなら正面透視だけでイケる!(非推奨)
そんな話をしていたら、こんなご意見をいただきました。
「バイパープライムのおかげで、今はとくに不安ない症例は正面像だけでPPS入れてます」
はっきりいって衝撃的でした!!
そして、
「スクリュー一本の刺入に必要な透視時間は10秒もかからないです」
ということ!!
す、すごい!
そもそもわたしはPPS刺入は最初から2面透視法から入りました。
側面像のワンショットで横突起基部がわかるので、スクリューターゲッティングを決めるときに、すでに深さの情報を持っています。
しかしPPSをsingle透視法で打つときは最初は正面像で椎弓根の的を頼りに打つので、深さの情報がありません。
よって穿刺針が椎弓根の的の中心にたどり着いたときに適切な深さかどうかを側面で確認する必要があります。
そしてスクリュー刺入しながら、ガイドピンが腹腔に穿破しないかどうかを確認しながらスクリュー刺入を行うのです。
たしかにバイパープライムであれば、スタイレットはスクリューの中に還納されていくので、腹腔にピンがぬけないように側面透視をみておく必要はないといば、ないか、、、
本日のまとめ
衝撃の方法でした!
バイパープライムのコンセプトであれば、側面透視が不要といいきってもよいのかもしれません。
ただし、いちおうこのブログの方針としては、PPS刺入のときは側面透視をみて、深さの情報をえるということにしておきますが、熟練者のご意見というものはほんとうにスゴイですね!!
関連記事
MISt: Minimally Invasive Stabilization
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年3月27日
を積極的に取り入れています。
安全に手術を行うため、透視を2面用います。
新年度。
新しいope看護師さん、放射線技師さん、研修医、専修医にむけて
脊椎MIStにおける2面透視の設定の仕方についてのまとめです。https://t.co/7LkSDjjqx6
デピューシンセスのバイパープライム。
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年2月22日
ガイドとなるスタイレットとスクリューが一体化していて、手順の短縮が図れます。
2面透視との相性が抜群。
プライムの良さを最大限に引き出すには、2面透視がオススメです。https://t.co/SrjwUtbXN4
Depuy/Synthesのバイパープライム®について。
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年1月12日
スクリュー先端からスタイレットがはみ出さないようにする方法。
S1椎体や胸椎の場合はスタイレット先端が椎体をつき抜けると一大事です。https://t.co/2lXN5jy0zZ
コメント
コメント一覧 (2)
いつも示唆に富むコメントありがとうございます。ご機会をいただきましたので後日記事にアップしたいと思います。すさまじい穿破の画像もご提供いただき、肝が冷える思いです(汗)。ありがとうございます!
私はVIPER PRIMEで側面像を確認することで大事故を回避でき経験があります。正面像のみでも安全だという言葉を鵜呑みにしていたら、患者さんの人生も僕の人生も詰んでいました。
正面像のみでの挿入は1000本打って999本安全でも、残り1本が致命的になる可能性があるなら、必ず側面像を確認すべきだと身をもって経験しました。
私には発信する力がないので、よければとぜん先生のブログでアップしていただいても構いません!透視装置2台が理想ですよね〜。羨ましい…