S1の椎弓根スクリュー軌道の方向、PPS法ならではのこだわり
スポンサードリンク
はじめに
MISt surgeonであることを公言しておりましたら、メーカーの方へ小一時間程度、講演するというご縁をいただきました。
はっきりいって、わたしなんかでよかったんでしょうか。。。
そんな不安はさておいて、講演の中で、MISのシェアは現状で約35%程度ということを伺いました。
そして、MISを積極的に導入しているのは40歳未満の若手といえるsurgeonということです。
となれば、数年後にはシェアは追いつき、やがて逆転。
市場としてMISが成熟していくのは間違いないということなのでしょう。
PPSの魅力
これまでのMIStへの変遷で、実際の現場で感じること
・出血量が減った
・術後せん妄が減った
・術後感染が減った
どんなことが論文になっていても、現場では圧倒的に違いを感じます。
そしてPPSは達人でなくとも、透視やナビなどの手助けが必要とはなりますが、初期からスクリューを正確に刺入することができるようになるというのも若手にとっての魅力だと思います。
もちろんスクリューを入れることが手術のすべてというわけではありませんが、、、
S1のPPSのこだわりの変化
S1椎弓根スクリューに限っていえば、軌道のこだわりに変化が起きました。
従来であればbicorticalに貫くようにがんばって刺入するS1椎弓根スクリュー。
スクリューの選択はφ6.5、35-40mm長といったところでしょうか。
PPS法に変わってからは、bicorticalにスクリューを打つことができなくなった代わりに、
・できるだけ強斜位に外から内へ
・側面透視で確実にpromontoriumめがけて
つまりS1下から上へ
・より太く
・より長く
というこだわりになりました。
そもそもが仙骨前面には血管があって危険なところ。
PSの長さは決め打ちになってしまうので、術前のCTでしっかり計測します。
この軌道で概ねφ7.0-7.5mm、40-45mm長を選択できます。
腸骨の稜面は個々の患者さんでだいぶ異なります。
広く開いているときはかなり強斜位でのスクリュー刺入が可能です。
狭く閉じているときでもPPSであれば、それなりに斜位で外から内に打てます。
そして、矢状面で下から上に(岬角へ)打つことで、スクリュー長をかせぐことができます。
PPSは、スクリューの軌道を自分好みで調整して打つことが容易にできることが魅力のひとつだと思います。
本日のまとめ
MISの隆盛により、わたしは従来のオープン法でのinstrumentationは限定的になってきました。
MISに変化することで、従来のこだわりから、MISならではの新しいこだわりが自分なりに形成されてきます。
S1のPPSの軌道では、どんなどころにこだわっていらっしゃいますか?
関連記事
MISt: Minimally Invasive Stabilization
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年3月27日
を積極的に取り入れています。
安全に手術を行うため、透視を2面用います。
新年度。
新しいope看護師さん、放射線技師さん、研修医、専修医にむけて
脊椎MIStにおける2面透視の設定の仕方についてのまとめです。https://t.co/7LkSDjjqx6
今年のJSSR、トライタニウムの成績発表がたくさんありますね。
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) 2019年3月27日
トライタニウム、順調な経過で、確かな手応えを感じます。
次なる興味は
・骨質があまりよくない高齢女性ではどのような結果になるのか?
というところです。https://t.co/Ztbv1F3dJf
コメント