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とぜん201903-.001

はじめに


わたしは自分の育った訓練施設の影響で、頚椎椎弓形成術には片開き式を好んで行います。

現在、企業はプレート&スクリュー固定システムを開発するのが流行りのようです。

メドトロニック社のセンターピース®が先駆け、
現在では
・アムテック社のラミノプラスティバスケット®
・Globus/αテックのキャノピー®
・Zimmer/Biometのギャラリー®
が使用できます。

そして、詳細は定かではありませんが、NuVasiveからも片開き式プレートが登場する予定と伺っています。

それもそのはず、、、
だって、償還価格は、たしか、
プレート1枚、42,000円
スクリュー1本、63,400円(固定型スクリュー)
ですから、、、

例えば、4椎弓形成で、プレート4枚、スクリューを3本×4=12本使うと、、、
42,000×4+63,400×12====!!!

う〜〜ん
立ち会いメーカーの心の中で、チャリーン¥チャリーン$と聞こえてきそうです。

一方で、スペーサー1個は3,5000円程度です。

・・・かなり違います。

償還価格はわたしの努力のしようもないことですが、企業がこぞってプレート&スクリュー固定システムを出してくる理由がよくわかります。

キャノピーにはクセがある


キャノピーの手技書を読んだときは、とりあえずこれで片開き椎弓形成のプレートシステムの完成形と思うほどの出来栄えのように感じたんですが、使用感は期待ほどでなかった、というのが正直な感想です。



むしろ、キャノピー使用で新たな注意点を引き起こしてしまいました。

なので、私見ですが、各社で比べてみました。

各社プレート固定の比較


術後のレントゲン側面像とCT横断面です。
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①メドトロニック、センターピース®
②Zimmer/Biomet、ギャラリー®
③Globus/αテック、キャノピー®

です。

そう、よくみてみると、、、
③でC3頭側のスクリューが椎間関節内に抜けてます。

これ、ほんと、わたしのなかでは大きなピットフォールでした。

カタログではプレートの幅の大きさは定かではない


カタログにはセンターピースもギャラリーも、そしてキャノピーも、頭尾側2穴の大きさの規格は記載されていないんですね。




プレートをスクリュー固定するならば、2穴でとめたほうが固定力がいいに決まってます。

センターピースしかなかったころ、どうせ固定するならば、外側塊の展開がより低侵襲ですむ頭尾2穴タイプにこだわっていました。

なので、センターピースではこれまでどの椎弓レベルでもずっと頭尾側2穴タイプの形状のほうを使用していました。

しかし、今回この術後写真を見て驚愕。

キャノピー使用の私見


①もしかしたら、頭尾2穴タイプは1mmくらい、センターピースより大きいかもしれない。
②スペーサーをプレートに挟み込むと、外側に対しても1mm程度長いような気がする。
CT横断面で見ると、なんとなく事実のように見える。。。
③スクリューを打つときに、意識して打たないと、センターピースに比べて、矢状面のスクリューの角度が頭側はさらに頭側へ、尾側はさらに尾側に角度がつくような方向になる感じがする。

まあ、私見なんですが、、、
共感できる方がおられればぜひお教えください。

ちなみに、ジンマーのギャラリーには頭尾側の2穴プレートの規格はありません。
横並び2穴なので、このような心配は無用です。

ただし、そうなれば外側塊の展開がgutter側は最大級に大きくなってしまいます。
よって、ギャラリーを用いるときは、カッターで外側の穴一個カットして、スクリュー一本固定にしています。

②のCT横断面、穴1個分、切断してます(笑)

本日のまとめ


外側塊固定用スクリューが椎間関節にすべり抜けました。

臨床上の問題として自覚症状は現在とくにありませんが、気分いいものではありません。
抜けてくるかもしれません。

プレート固定の際は、
・外側塊のサイズ
・関節の角度
にも十分に注意する必要があります。

キャノピーはセンターピースより若干大きいような印象です。
スクリューの角度は意識して頭側を尾側に、尾側を頭側に打たないと行けない印象です。

なので、外側塊のサイズが小さいときは、頭尾側2穴よりも内外側2穴の規格を選んだほうがいいでしょう。

これまでにこのようなことがなかったのがラッキーだったんでしょうか、、、

椎弓形成術であまり気に留めてなかった、外側塊のサイズ。関節面。プレートの規格。

下手くそ!!

これからはプレート固定するならば、プレートにマッチするように、外側塊のサイズと関節をしっかりみておかなければ、と思った次第でした。

下手くそ!!