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とぜん201903-.001

はじめに


骨粗鬆症性椎体骨折、いわゆる圧迫骨折ですが、これはとてもとても痛いです。

体動困難となって救急搬送されてくる高齢者があとを絶ちません。

痛みで動けずに、寝たきり状態となりズルズルと体力・筋力を失っていく高齢患者を目の当たりにすると、BKPは、ほんとに高齢者に福音となる治療だな、と思うことがあります。

疼痛は保存加療で概ね改善しますが、疼痛がピークのときに、誤嚥性肺炎を引き起こしたり、尿路感染、便秘によるイレウス、ひどいときは褥瘡を作ったりする患者も中にはおられます。

なので、症例によっては早期にBKPを適応したほうがよい症例はあると思っています。




国際世論はアンチ椎体形成術に向かっている


しかし、国際世論的には、アンチ椎体形成・BKPに向かっているようです。

活動を再開してくれた
二択で迷ったらアグレッシブな方を選べ
に詳しいです。

実はブログ主は尊敬している大親友です。
ブログについてはまた後日、紹介記事を作成したいと思っています。

椎体形成はもう死んでいる
VERTOSIVの弱点




大切なのは「BKPの適応を厳格にする」ことであって、「BKPの善悪を問う」のは全くナンセンスです。
そのあたりはエビデンスと実臨床のギャップが非常に大きい。
このギャップを埋めるには、臨床医が良質のエビデンスを出していかないといけません。
ちなみにVERTOSⅣもコクランレビューも方法論的には非常に厳格な素晴らしい論文であることは間違いないものの、臨床医目線でみると決して決定的な論文ではありません。
どこに穴があるか次回以降解説していきます。


この研究の弱点は何でしょうか?
それはRCTに共通する選択バイアスです。
ー中略ー
VERTOSⅣで得られた知見は、痛みが残存しつつも神経症状発現までには至らない亜急性期の椎体骨折があり、放射線科外来を受診した患者のうち、椎体形成術もしくはシャム手術へのランダム割付と治療方針遵守に同意した「選ばれた勇者」にのみあてはまるものです。
例えば脊椎外科に救急入院したリアルワールドの患者にあてはまるかどうかはわかりません。


さすが、京都大学福原俊一教授のもとで臨床研究の最前線を学んでおられるだけあり、キレッキレのコメントです。

BKPの適応は厳格に


わたしも、BKP>保存加療の患者は間違いなく居ることを感じている一人です。

・局所後彎の増強や圧潰が進行する症例
・安静が好ましくない症例(超高齢者、脳血管障害、他疾患による廃用が危惧される症例)
・痛みでADL改善が困難な症例

適応を厳格に判断するために、わたしたちのように救急入院を初診する臨床医が良質のエビデンスを出していかなければ。。。

本日のまとめ


BKPについては、「二択で迷ったらアグレッシブな方を選べ」ブログ主の臨床研究に参加させていただけることになりそうです。

わたしたちの手で、世界に発信できることがある!

Think globally, act locally!

って、完全にアグレッシブさんに乗っかっていくだけなんですが、、、