脊椎診療におけるICD詳細不明コードを過去1年調べてみた
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はじめに
本日は、敬愛する整形外科医のブログの記事からです。
「DPC病名をあなどるな!」
はじめ、意味がわからず既読スルーしてしまいました(すみません)。
よくよく日々の診療を思い出してみると、カルテ管理室の担当から病名の入れ直しを要求されることが時々あることに気が付きました。
"「詳細不明コード」があります。
つぎのどれかに当てはまりませんか?”
というような照会です。
病名の付け直し?
はあ〜??
って感じだったのですが、記事を読み直すとなかなか由々しき事態に陥ってしまいそうです。
そこで、脊椎診療科で過去1年どういったもので照会されたのか調べてみました。
詳細不明コードが増えるとどうなるの?
単にICDコードに当てはまらないだけであれば実害はないのですが、病院全体として詳細不明コードが10%を超えると厄介なことが発生します。
医療機関別係数が 0.05も下げられてしまうのです。例えば、本来であれば1.1821であるものが詳細不明コードが10%を超えると、1.1321になってしまいます。
病院全体の医業収益に直接掛ける係数なので、0.05下がるだけで膨大な収入減少につながります。数千万円の減収など当たり前の世界なのです。
なるほど。
こんな些細なところで上層部から突つかれる隙をつくってはいけないな!!
さっそくカルテ管理室の担当の方に問い合わせました。
脊椎診療科におけるICD詳細不明コードは?
詳細不明コードで照会を受けた症例をざっと一年を振り返って漁ってもらったのです。
すると、わたしの脊椎診療科での問い合わせは、28回/年。。。
月の入退院が30名ほどなので1%未満といったところでしょうか。
内訳順は
1.脊椎椎体骨折 外傷性 or 非外傷性
2.閉経後骨粗鬆症性・脊椎病的骨折あり 外傷性 or 非外傷性
3.中心性頸髄損傷(詳細不明)
ほか
で、外傷関連ばかりでした。
→結果:
非外傷性・閉経後骨粗鬆症・脊椎病的骨折あり(M8008)
中心性頸髄損傷・頸髄不全損傷(S141)
と病名コードが打ってありました。
脆弱性骨折の外傷性か非外傷性かの区別ってけっこう主観的ですよね。
結局、脆弱性骨折って、
「立った姿勢からの転倒か、それ以下の外力によって発生した非外傷性骨折」
とか、
「転倒などの軽微な外力によって生じた骨折」
などと定義されていますから、、、
電カル担当からすれば、外力=外傷性でしょ??ということになるのでしょう。
ということだと、電カルには外力の強度いかんによらずすべて→外傷性にしておいたほうがいいのかな。
本日のまとめ
私たち臨床医にとっては両側性形成不全性股関節症ときいても「はぁ~?」という感じですが、お国が決めた医療制度ではコチラの方が正解かつ正義なのです。
非常にバカげた話ではありますが、長い物には巻かれろです。心を無にして、このバカバカしい病名を受け入れようではありませんか!
はい、受け入れます!
そして、この結果を医師補助さんと共有して、さらなる時短を図りたいと思います!
身につまされる記事、ありがとうございました!!
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