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はじめに


椎体間固定術の完成度を高めるために、終板軟骨の処理はとても重要です。

コブ・キュレット・ラスプ・シェーバー、、、
終板処理の道具はたくさんあって、多くの施設でそれぞれのこだわりがあることと思います。

簡単でかつ確実にそしてすばやくできれば最高ですよね。

そんなニーズからか、Depuy/Synthesから、椎間板処理ための新しい道具が出ていました。

「Concorde® Clear」という製品です。

Cadaverトレーニングでの使い勝手がとてもよかったので実際に手術で用いてみました。
体験をレポートします。

吸引チューブとつなぐサクション型の掃除機仕様


「Concorde® Clear」の最大の特徴は、自施設のサクションチューブに接続して、終板軟骨を削ぎ落として吸引していくというものです。

先端が刃のようになっており、終板から剥ぎ取って、そのままゴリゴリ掃除機にかけていく感じです。

手技書では300-600mmHgの範囲での吸入圧が推奨されております。

サクションの孔を指で蓋することで吸引に力がかかります。
指で隙間をつくることで吸引圧を自分好みに調整しながら使用していきます。

刃がするどいので硬膜損傷には十分気をつけましょう


先端が鋭いことが、同時に最大の弱点になります。

硬膜に触れて吸引してしまうと損傷のおそれがあります。

Cadaverのときに硬膜を吸引したら破けました。

なので、手前に引くときは必ず吸引圧の指を離すように事前に練習しておかないと、
つい、うっかり!!
という事態になりかねませんので、ぶっつけ本番にならないように十分注意しましょう。

まずは吸引圧をかけずに椎間板内に侵入し、あくまで椎間板内での郭清にとどまり、済んだあとは、椎間板内で調節孔をオフにして手前に引くようにする手順を徹底することが重要です。

15度、30度、40度の先端角あり


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Concorde® Clearの先端の角度は15度、30度、40度があります。

ブーメランケージは反対側の終板軟骨を十分に郭清しないと、まさにブーメランで戻ってきてしまいます。

Concorde® Clearは、角度がついているので、反対側の椎間板を郭清しやすく、ブーメランケージを用いたTLIFと相性がいいように思いました。

ただ、やっぱり反対側はブラインドになるので、するどい刃で夢中になっている間に終板を破壊しないように心がけないといけません。

Cadaverはいくらでもゴリゴリやってもいいのですが、実際の手術でケージが沈下してしまったら手術の意味を全くなしませんので、、、

そのあたりに十分に慣れることができるかどうかが継続で使用するかどうかのポイントですね。

自分の手勝手としては、リングキュレットでゴシゴシするよりも破壊力があるように感じました。

そして、もちろんお値段がかかります。

通常お値段は、4万円くらいかかるらしいです、、、

DePuy/Synthesのお勉強価格に期待しないと通常は使えないかも。
スクリューやケージと合わせていくらか調整してくれるのかもしれません。

このあたりは担当MRと要相談です。

本日のまとめ


Depuy/SynthesのConcorde® Clearを紹介しました。

反対側の椎間板の郭清がとてもしやすいので、ブーメランケージを用いたTLIFと相性がいいように思いました。

通常の自施設のサクションシステムがあれば使用できるので、椎間板が大きめの症例などに用いてみてはいかがでしょうか?