C1破裂骨折の手術方法、Direct Fixation Using C1 Lateral Mass Screws
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はじめに
高齢者が転倒して頭部を強打した際に、不幸にしてC1破裂骨折を受傷することがあります。
高齢者にハローベスト固定は苦痛を強いる割に骨癒合率も悪く、サイアク、、、
なので、手術で内固定ができれば幸いです。
低侵襲な手術ができれば幸いなのですが、TraditionalにはC1-2固定かあるいはO-C2固定が選択されることが多いのではないでしょうか。
C1-2固定ではC1-2関節の回旋運動が犠牲になります。
さらに後頭骨までいくと前後屈が犠牲になります。
そうなれば例え手術がうまくいったとは言っても、高齢者のその後のADLを著しく下げてしまいます。
なんとかならないものでしょうか。。。
解決法のひとつの案として、C1外側塊スクリューを用いたDirect osteosynthesisを紹介します。
C1外側塊単軸スクリュー同士をロッドでつなぐ

①Direct posterior c1 lateral mass screws compression reduction and osteosynthesis in the treatment of unstable jefferson fractures.

②Primary Internal Fixation of Unilateral C1 Lateral Mass Sagittal Split FracturesA Series of 3 Cases

③Posterior osteosynthesis with monoaxial lateral mass screw-rod system for unstable C1 burst fracture

④Direct Fixation of C1 Jefferson Fracture Using C1 Lateral Mass Screws: A Case Report.
手術のポイントは下記の通りです。
C1外側塊スクリューは、「ハーフスレッド」、「mono-axial」のスクリュー選択がよい
・ハーフスレッドで前後の圧着力を求める
・mono-axialスクリューに内側に寄せるようcompression forceをかけることで前弓骨折部にも圧着力を求める
というもの。
もちろんfinalのときにmono-axialにスイッチするようなmulti-axial screwでも同じ原理で整復できるでしょう(国内にそのような頚椎用スクリューがあるかどうかはリサーチ不足ですが)。


高齢者の骨折を寝たきりにさせない工夫が求められている
体幹バランス不良の高齢者の転倒は想像以上に受傷時の衝撃が強く、重症な骨折が散見されます。
C1破裂骨折以外にも、C2歯突起骨折や外傷性分離もありますし、DISHによる骨折症例も最近は頻繁になってきました。
DISHに関していえば頚椎胸椎どの高位でも脱臼しますし、複数箇所骨折していることもあります。
骨盤の不顕性骨折もたびたび経験します。
大腿骨近位部の骨折では早期手術するのに対して、脊椎骨盤は保存で粘ることも多くあります。
高齢者に対して、ベッド上安静臥床を強いることは、ADL低下以外のなにものでもありません。
なので、いかに早期離床、早期リハビリを提供するかが問題です。
手術を低侵襲化して積極的に内固定することは解決のひとつと思っています。
本日のまとめ
C1破裂骨折に対するDirect osteosynthesisの論文を紹介しました。
偏位が最初からはげしいような症例にはチャレンジングだと思います。
また、外側塊スクリューを入れるときは下穴は高速ドリルを用いて、不安定な外側塊を回旋させないような工夫が必要でしょう。
「ハローベスト」
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) October 11, 2019
頸椎の固定で、最後の砦です。
ただし、ハローベストを装着される患者さんはサイアクだと思います。
ハローベストに頼らない治療を目指したいですが、やっぱり必要です。
ハローベストを安全に確実に装着できるよう、わたしなりの注意事項のまとめ。https://t.co/V3fd0pvgv3
強直性脊椎骨病変を見たら「骨折している」
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) October 11, 2019
と思っていたほうが無難です。
神経症状出現の原因の一つに、
「骨折診断の遅れ」
が挙げられます。https://t.co/PuwqvQkdAJ
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