T2ダッシュ?それともT3?メドトロニックが前方椎体置換のシェアを奪いにきた!
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はじめに
LIFはわたしの脊椎手術の世界を変えてくれた手技です。
骨粗の椎体圧潰症例では、従来のメッシュケージを用いた前方椎体置換は、大変な思いを多くしましたが、X core使用するようになってからはだいぶ勝負できるようになりました。
なのでLIFをするときはXLIFオンリー。
OLIFをすることはありませんでした。
X coreの苦手なところ
ただX coreにも弱点があって。
①コアのサイズが大きく、エンドキャップを乗せると28mmから。
この28mmって、けっこうギリギリなんですよね。
骨粗の高齢者女性、圧潰進行例などは、28mmないことがほとんどです。
もうワンサイズ小さいのがほしいところです。
②エンドキャップ幅も40mmと50mmのサイズのみ
中間の45mmがないんですよね。
45mmほしいな、と思っているユーザーはたくさん居るはずです。
③エンドキャップの角度をフィットさせるのが難しい
エンドキャップは0度、4度、8度の角度があるので、上下で合わせれば−16度から+16度までのたくさんの角度バリエーションを作れることになります。
そうはいってもジャッキアップしている間に変わってくるんです。
結果的にエンドキャップの前縁とか後縁に終板がめり込んでしまいます。
ヘタクソ、と言われればそれまでなんですが、、、
④椎体の骨切りラインをばっちりキメるのが難しい
「ケージを適切な位置に設置したい」
当たり前のことですが、結構難しいんです。
術後に、XpやCTで確認すると、術中透視で思ったよりも前方設置になったり、あるいは後方設置になったり、、、
術野が小さいというのも理由でしょう。
X core一択だったところにメドトロニック参戦
そうはいっても椎体の辺縁にかかるような大きいエンドキャップを持ったケージは
NuVasive社のX coreしかなかったわけです。
そこに今月からメドトロニックが参戦してきました。
というより、X coreのシェアを完全に取りにきています!
後発品だけあって、これまで述べてきたX coreの弱点を克服している(ように思える)のです!
もともとT2という円筒形ケージがあったのですが、そこに大きいエンドキャップを乗っけることでX coreに対抗しております。
T2ダッシュに期待されるところ
正式な名前は、T2 Stratosphere。
へ??
聞いたことない単語で理解できませんでした。
成層圏、という意味なんだそうです。
ちょっと舌を噛んでしまいそうなので、T2ダッシュと呼ぶことにしています。笑笑
①サイズが一回り小さい。エンドキャップ乗せて26mmから。
これはうれしいですよ。
28mmくらいはやっぱりT12とかT11には大きく感じる症例もあります。
②エンドキャップ幅は5mm刻み。
これですよ、これ。
35,40,45,50があれば全症例おさえられるといっても過言ではないでしょう。
③エクスパンドする際にコアの首が自由に動く
これがいちばんすごいところですよね。
Self adjusting end cap、とあります。
+ー8度の自由度があり、コアが首を振るんですよね。
ジャッキアップしながら、勝手に終板に至適な角度でフィットしてくれます。
すごいです!
骨切りラインの選定はいずれにせよ難しいでしょうが、これは以前の記事、長崎労災病院の奥平先生の記事を参考にがんばりましょう。
X core手技に関して、
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) November 2, 2019
ケージが前方設置になったり後方設置になったりしないように
「骨切りラインとフットプリントの角度をうまく選定する工夫」の紹介。https://t.co/unbeE3RtTL
本日のまとめ
メドトロニックソファモアダネックは、ダネック=マネックなどと揶揄されることもありますが、T2ダッシュ(自称)、これは素晴らしい。
X coreの市場を完全に奪いにきてますね。
そう、わたしもいったん手技になれるため、LIFをOLIFに変更、そして来週T12のextrapleural approachで、T2ダッシュを使用してみます。
かなり期待しています!!
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