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202004とぜん.001

はじめに


COVID-19の流行に伴い、不急の手術はなるべく控えるようになっています。

背景の問題として、、、

・無症候あるいは症状が殆ど無いSARS-CoV-2陽性者がおり、紛れ込んで感染源になる問題があります。

・ベッドをある程度開けておかないと、新規陽性患者を適切に隔離できないという問題もあります。

わたしたちの手術は、不要なものは何一つありません。

が、待機手術がほとんどです。

ただそうは言っても、外傷の症例や、麻痺の進行があれば、それは早期に対応せざるを得ません。

COVID-19の流行下で、術前の検査は今後どう変わっていくのでしょうか。

日整会COVID-19 WEB座談会(2020.4.11)


日整会HPに、日整会COVID-19 WEB座談会(2020.4.11)が掲載されています。

未知なる戦いなので、4月11日時点から今後も変化していくかもしれません。

PCRと胸部CTのセットか


・待機手術は術前々日に胸部CTとPCRを施行。
COVID-19の疑いがなければ手術、疑いがあれば再検討。

・可能であれば臨時手術でも手術前に胸部CTとPCRを施行。
COVID-19の疑いがなければ手術施行、疑いあれば再検討。

わたしも胸部CTは術前に撮像しておきたい気持ちもあります。

ただ、CT室の運営にも影響が出そうです。

この体制でいきますと、胸部CTを受ける=コロナのスクリーニングということになるので、全例コロナ患者と同じような体制、つまり消毒や十分な換気をしてから、次の患者さんの検査、、、ということになりそうです。

かといって、PCRは自施設で完結できる施設はごく限られています。

適応がないのに保健所で検査してもらえることはないでしょうし、、、

悩ましい。

潜伏期間中での待機手術での死亡率が高い


これは、前に記事にした論文が引用されておりました。

データの蓄積はますます大事ですが、現状では、潜伏期間中の患者に全身麻酔を行いたくないですよね。。。

やはり、感染していそうかどうかは術前に評価しておきたい。。。


本日のまとめ


院内で術後感染が発覚すると、すでに濃厚接触者は感染している可能性大です。

そうなれば陽性者全員入院か、自宅待機などになり、医療資源が減ってしまいます。

それ以上に、患者さんが術後肺炎を起こし重症化、最悪死亡する可能性すらあります。

術前というか、入院の前段階で、いかに評価しておくか、、、

麻酔科、救急科、集中治療科などと綿密に話し合っていかないといけない問題ですよね、、、