腰椎分離症に対する外科治療の低侵襲化について
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はじめに
腰椎分離症は、若い人、とりわけアスリートに多い腰痛の一因です。
疫学的には若年者の約5%前後、アスリートには15%程度に発症するとされます。
大多数、9割程度がL5に発生して、ついでL4と続きます。
海外では女性の体操選手に多いという報告もあります。
若年者であるため、インターハイなどの試合や進学などの真っ只中におります。
いくら治療のためとはいえ、スポーツを停止することは、若年者の患者さんやご両親に多大な心理的ストレスをかけることになり、十分に病状を話し合って、本人、ご両親の双方に理解してもらうことがとても大切です。
外科治療について
分離症は、いわゆる疲労骨折です。
分離初期に診断がつけば、保存的加療で骨癒合が得られるケースが多いため、スポーツを停止してコルセットでの安静が望まれます。
なので、基本的に分離症で手術を行うことはありませんが、やむを得ずして手術を要するケースもまれながらあります。
その時にどのような手術を選択するのがよいのか、わたし自身外科治療の経験が未熟で、まだまだ答えを持ち合わせていないのが現状です。
現状について考えをまとめます。
手術治療の低侵襲化
通常、
①椎間の可動域を温存して分離部のみ修復するのか
②骨棘、線維性軟骨もどきによる神経の圧迫の解除まで必要かどうか
③椎体間まで固定しなければならないのか
などを考慮します。
さらに最近では
④手術を低侵襲に抑えるにはどうしたらよいか
も命題になってきています。
わたしは未経験ですが、
例えばBuck法は、昨今ではO armに代表される優れたナビゲーションシステムの登場により、経皮的に可能になってきています。
そして、分離部の軟骨郭清、decortication、骨移植についても、内視鏡支援下に可能になっているようです。
すなわち、文献では、ナビゲーション下Buck法と内視鏡を組み合わせて、
①腸骨からトレフィンで採骨、②スクリュー刺入、という一連の操作を同一皮切下で行い、
分離部には内視鏡下に骨移植、という方法であったり、
①腸骨からトレフィンで採骨、②分離部に内視鏡下に骨移植、③スクリュー刺入、という一連の操作をPPSと同一皮切から行い、最後にPPSで止める方法などが報告されています。
これらを拝読すると、経皮的椎弓根スクリューを用いたPedicle screw-rod-hook法すら霞んで見えてしまします。
問題はその治療成績なんですが、まだまだよくわかりません。
本日のまとめ
腰椎分離症の外科治療の低侵襲化についての私見でした。
医療機器発達とともに偉人の編み出した手術が低侵襲下に行えることは素晴らしいと感じます。
ナビゲーションシステムは、今後もいろいろな治療のすそのを広げることができるでしょうね。
となれば、やっぱりナビゲーションが欲しいところです。。。
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