脆弱性骨盤骨折も骨粗のパンフレットに載せてほしい
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はじめに
先日、某製薬会社の社内研修に行ってまいりました。
骨粗鬆症についての勉強会だったので、わたしが常日頃感じている脆弱性骨盤骨折について発表しました。
そのココロは、「脆弱性骨盤骨折もパンフレットに載せてほしい」というものです。
情熱を込めてスライドにしました。
脆弱性骨盤骨折はあまり認知されていないように感じる
骨粗鬆症によって起こりやすい骨折部位というのは、各社それなりにパンフレットのようなものが用意されております。
たいてい
・橈骨
・脊椎
・大腿骨
の骨折の絵が載っています。
さらに上腕骨まで載っているものもあります。
ところが、骨盤に言及したパンプレットは、正直見たことがありません。
なので、わたしは、認知度が低いなあと常に感じています。
もっといろいろな人に目につくようにしてもいいと思うのは、わたしが脊椎を主軸に診療しているからでしょうか?
医師による診断の遅れが圧倒的に多い
脆弱性骨盤骨折で問題になることは、診断の遅れです。

①軽微な外傷でまさか骨盤が折れているわけないでしょ!?

軽微な外傷で折れるんです。
また、骨粗鬆症性椎体骨折に合併していることがあり、胸腰椎に圧迫骨折を見つけたからといって安心はできません。
②症状が多彩、まさか骨盤由来の症状なわけないでしょう!?

症状が多彩で鼠径部や股関節、下肢に放散痛を認めます。
そのため、腰椎MRIや股関節MRIは撮像されることがあっても、骨盤MRIまでいきつかないことがあります。
③椎体骨折や、腰部脊柱管狭窄などに目を奪われて、仙椎に骨折があっても見逃してしまいます。
仙骨翼やH型骨折などでは、腰椎MRIで見逃されやすいです。

本日のまとめ
脆弱性骨盤骨折は4週程度安静加療となることが多いです。
寝たきりになってしまうこともあるので、漫然と保存加療を続けることには違和感があります。
ナビなどの支援により低侵襲に手術加療できるようになることは課題のひとつではありますが、それよりも早期に診断してあげることがもっと大事です。
脊椎外科医以外の医師や、患者さんへの認知度をあげる一助として、骨粗鬆症のパンフレットにも記載してもらえないかどうか、提案してみました。
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