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はじめに


オンライン、オフライン問わず、わたしはメダクタ社のMySpine MCの大ファンを公言しています。

3Dプリンティング技術から作成される患者適合型のドリルガイドです。

mySpine MCは、CBT用のドリルガイドになります。
もちろん従来軌道でも作成可能です。

①オーダーしてから到着するまでの期間
②費用

についてよくご質問いただきますので、記事にしておきます。
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オーダーしてから到着するまでは2-3週程度


オーダーしてから到着するまでの期間は、おおよそ2-3週です。

週末オーダー、日本とスイスの休日などの諸事情が重ならなければ2週程でも大丈夫ですが、基本的に3週の期間をみていれば大丈夫です。

大至急枠でも2週くらいは必要になります。

この3週間というのはユーザーとして、けっこうネックに思われる方も多いのではないでしょうか。

現行のシステムでは、ガイドはいったんスイスの工場で作成され、日本に輸出されてきます。

①術前のCT DICOMデータをCD-ROMにして、国内のメダクタ担当MRに提出
②担当MRがメダクタのマイスパイン作成用データプラットフォームにアップロード
③スイスエンジニアが3Dデータをsegmentation
④実際の軌道をソフトでわたしがシミュレーション、プランニング
⑤プランニング終了したことをスイスエンジニアに承認ボタンで知らせる
⑥3Dプリンターで加工、作成
⑦スイスから日本に輸出

という流れになっています。
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ちょっと待って下さい!

それなら、データ作成はスイスのエンジニアが行うにしても、3D加工は機械さえあれば日本でもできるのでは?と思ってしまいませんか?

もし日本で加工できれば、ガイドの輸送手間を無くせて、だいぶ時間を短縮できるはずです。

もちろん国内メダクタもそれはわかっていて、スイス本社には国内で加工することをお伺い中とのことです。

日本国内のユーザー数や、市場の拡大などでいくつか条件があるかもしれませんが、少しでも時間が短くなってくれたら嬉しいです。

そのために、わたしができることは、粛々とガイドのよさをPRしていくしかないですね。

費用はいくら?


費用についてもいくつか課題があります。

通常の1椎間固定をするとしても、モデルは上位椎体と下位椎体の2個分必要です。

1椎体あたり100ドルとなります。

よって2椎体作成で200ドル。

しかし、通常の1椎間固定よりは、困難な多椎間症例に使用したいはずです。

ガイド使用手術は保険収載として、現在、K939の画像等手術支援加算が算定されております。

このなかに、「K939-3 患者適合型手術支援ガイドによるもの」があり、2000点の加算が得られます。

詳細は
「患者適合型手術支援ガイドによるものとは、手術前に得た画像等により作成された実 物大の患者適合型手術支援ガイドとして薬事承認を得ている医療機器を、人工膝関節置 換術又は再置換術を補助する目的で用いることをいう。」
とありますが、わたしの地域では、症状詳記に記載することで、脊椎手術においてもいまのところ返戻されたことはありません。

ガイド下手術としての薬事承認されてはいますが、ガイドそのものには償還がありません。

なので、ガイドの費用は病院経費の持ち出しになります。

K939-3加算とはいっても2万円にしかならないので、ガイド使用は病院経営としてはなかなか厳しい状況です。

ただ、スクリュー誤刺入による神経、血管合併症がおこったことを考えると、ガイドの使用は安全面でプライスレス、という考え方もあるといえばあります。

またモデルボーンを見ながら手術ができることが、解剖の理解や若手の術者育成につながるという付加価値もあります。

なにより、術者の判断疲れの減少、ストレス軽減というメリットもあります。

このような付加価値を経営陣に理解をいただかないといけないかな、という課題があります。

診療報酬、保険収載、器具の償還の問題など、新技術に基づく道具開発にはまだまだ法整備が整っておりませんので、どんどん働きかけをしていかないとですね。

本日のまとめ


患者適合型ドリルガイド、mySpine MCの
①オーダーしてから到着するまでの期間
②費用
についてでした。

費用問題が解決されないと、国内での医療機器開発はどんどん後進化していくでしょうね。

企業がビジネス化できなければ国内での医療機器開発分野はいつまでも発展していかなそうです、、、