コロナ禍でMRSA鼻腔培養やらなくなったけど表層感染は減っているような。
スポンサードリンク
はじめに
術後創部感染のハイリスク群として、脊椎インストゥルメント手術が挙げられます。
2016年3月2日に創部感染予防に何ができるかの悩みを吐露した記事がありました。
正直、今もあまり何も変わっていないんですよね、、、
じつは、コロナ禍でMRSAの鼻腔培養がストップとなってしまいました。
個人的には、MRSA保菌者のスクリーニングのために大事な検査と位置づけていたのですが、、、。
MRSA鼻腔培養の意義
なぜMRSA保菌者のスクリーニングが重要なのでしょうか。
それは、術後創部感染の原因菌が術前の鼻腔に保菌していた菌と一致していたという報告からです。
さらに鼻腔保菌者に対して、術前に鼻腔の除菌と全身薬浴が術後創部感染の予防に有用であったとする報告もあります。
(原文は読んでませんが汗)
ということで、学会やガイドラインでも術前の除菌に対しては肯定的と感じています。
いまコロナ禍ということもあり、入院時にコロナウィルスのPCR検査があります。
わたしたちの施設では、コロナ初期は、PCR検査は入院主治医が行うことになりました。
そのため、これまで外来看護師さんが術前検査で行ってくれていたMRSA鼻腔培養がいったん中止になってしまいました。
患者さんにとっても、術前検査と入院当日でコロナ用PCRとMRSA用で異なる検体で2回鼻腔培養を行うことがつらそうだ、ということと、やっぱりコスト面でもともと否定的だったこともあり、労力・侵襲・コストの三重苦で再開のしようがありません。
粛々とほかに創部感染予防できることを徹底してつきつめていくよりほかありませんね。
本日のまとめ
コロナ禍で、せっかく培った術前MRSA鼻腔培養の意義が薄れています(あくまでわたしの施設だけ論です)。
ところが、かといって、コロナ禍だからといって、創部感染が増えているわけではありません。
肌感覚では、じつは創部表層感染はむしろ減っているような。
手指の消毒が徹底されているおかげなのでしょうか。
コメント