術中洗浄の希釈イソジン生食のちょうどいい濃度って!?
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はじめに
脊椎インプラント手術での感染予防策。
長きにわたる戦いの歴史でもあります。
できることは全部やっておきたい、というのが素直な気持ちです。
術中イソジン入り生食での洗浄は肯定的な意見が多いですよね。
ただ、学会の抄録集など参考にしますと、希釈の濃度って結構施設ごとでばらつきがあるんですよね。
結局、どのくらいの濃度がちょうどいいのでしょうか?
イソジン洗浄はオススメ
文献では
Efficacy of dilute betadine solution irrigation in the prevention of postoperative infection of spinal surgeryChengら Spine. 2005
がとても有名。
Randomized controlled studyです。
脊椎手術後の創部深部感染の予防に、ポビドンヨード溶液洗浄を用いた最初の前向き、単一盲検、ランダム化研究。
簡単で安価で有効、ということで、術中洗浄液はイソジン入りを勧めています。
ガイドラインにも登場しています。
ところでポビドンヨード原液の濃度や希釈の濃度ってどんななんでしょう?
ちなみにどうでもいい話ですが、ポビドンヨードって「povidoneiodine」って綴るんですね。
ポビドンヨードについて
ポビドンヨードについて、上述の紹介の文献から引用すると、
・ポビドンヨードは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む広範囲の病原体に対して殺菌活性を持っている。
・ポビドンヨード溶液は、1:25〜1:200(0.5〜4%ベタジン)の希釈でMRSAに対して最大の効果があることがわかっている。
・細胞毒性は、5%ベタジンの濃度で培養ニワトリ脛骨骨芽細胞で観察されている。
・しかし、0.5%ベタジンの低い濃度では細胞毒性はほとんど発生しない。
・1%、5%、10%のポビドンヨード製剤では動物、ヒトの創傷治癒に有害な影響を及ぼさない。
ちなみに文献上では「ベタジン」は、市販の10%ポビドンヨード液(溶液1mLあたり100mgのポビドンヨード)、と記載されております。
そして、洗浄に用いた希釈濃度は0.35%ポビドンヨード(3.5%ベタジン)とのことでした。
通常、手術野の消毒で使用しているのは
ポビドンヨード原液(10%、有効ヨウ素量1%(10,000 ppm)
です。
なので、MRSAに対して最大の効果を発揮するという1:25〜1:200(0.5〜4%ベタジン)の希釈は、
10%イソジンを5mL−40mL程度入れてトータル1000mLにすればいいですね。
学会の抄録では0.03%とか0.3%とか0.25%とかの濃度での洗浄しています、というのを見つけました。
ポピドンヨード0.03%なら 3mL(300mg)/1000mL
0.3%なら30mL(3g)/1000mL
0.25%なら25mL(2.5g)/1000mL
で洗浄液を作っているんですね。
本日のまとめ
イソジン生食での洗浄についてまとめました。
洗浄液の濃度について少しスッキリしました。
文献になって、これからは35mL(3.5g)/1000mLで0.35%ポビドンヨード洗浄液を作ろうかな。
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