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はじめに


コロナワクチン接種がはじまり、世の中が早く安寧に戻ってほしいです。

ワクチンは上腕の筋肉内に注射します。

以前は全身麻酔前のプレメディケーションで筋肉注射をする機会がありましたが、いまは皆目ありません。

筋肉注射の手技をアップデートしようとおもって検索すると、意外にもこれまでの方法が適切ではないとの警笛がありました。

奈良県立医科大学 整形外科・臨床研修センター仲⻄ 康顕先生監修です。

同ページから詳しく図解されたPDFもダウンロードできます。

「肩峰から3横指下」は腋窩神経に当たる⾼さ。好ましくない


筋肉注射について、公益社団法人日本医師会の通知には
「注射部位は三角筋の肩峰より2~3横指下中央の位置です。」
とあります。

奈良県立医大のマニュアルには、

後腋窩ひだの中にある大円筋の頭側を腋窩神経が走行します.また上腕骨の比較的前方に停止する大円筋の尾側で,橈骨神経が前から後ろに向かいます.ですので,大円筋の尾側にあたる腋窩ひだの高さは,橈骨神経と腋窩神経の損傷を避けやすいと考えています.詳細は論文として公表予定です.


とコメントされております。

TwitterやほかSNSでは、ワクチン接種したよ!的な投稿が散見され、絆創膏の位置は3横指下くらいに見受けれます。

むろん教科書通りの手技なので、責められようがありません。

ところが、コロナワクチン接種後、穿刺部位の痛みで腕があがらない、ということも投稿されております。

肩峰より平均約4cmまでの⾼さには,三⾓筋下滑液包が三⾓筋の裏に存在する.
ワクチンの誤注⼊によるSIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)が海外で多数報告されており,穿刺を避ける.


筋肉注射としては、むしろ、避けたほうがよい部位のようですね。



マニュアルで推奨されている部位は、
肩峰の約10cm下
とされております。

本日のまとめ


筋肉注射の穿刺部位は
①前後の腋窩ひだの上縁を結ぶ線(上腕と体幹が分かれる⾼さ)と
②肩峰中央からの垂線
の交点

・肩峰の約10cm下
(3横指だと腋窩神経・後上腕回旋動脈、三角筋下関節包を誤って穿刺する危険がある)

・肘は⾃然に下ろした姿勢で、⼿のひらが体幹を向くように
(肩関節を内旋すると橈⾻神経を誤って穿刺する危険がある)

・垂直に20mm穿刺

とのことです。

勉強になりました!!