成人外傷性環軸椎回旋脱臼の全身麻酔下での閉鎖整復手技
スポンサードリンク
はじめに
めったに出会うことない、成人の外傷性環軸椎回旋脱臼症例について調べる機会がありました。
クローズドで整復する方法というか、コツとかあるのかな、と思って検索したら、ケースレポートがひとつ見つかったので備忘録としてまとめておきます。
この症例報告では、さらに歯突起骨折Type2まで合併しています(コワイ)。
透視下に全身麻酔下でハローリングを用いて牽引し、さらに経口アプローチを併用して閉鎖整復を行っています。
C1-2回旋脱臼整復手技紹介
Technical Note & Surgical Technique
Closed reduction of traumatic atlantoaxial rotatory subluxation with type II odontoid fracture
Michael Opoku-Darko, MD
この論文の症例は左のC1外側塊が回旋脱臼してC2関節前方に乗り上げており、さらに歯突起もType2骨折を伴っております。
全身麻酔で仰臥位で整復後すぐに腹臥位にして後方固定術を行う治療方針です。
整復の手順は以下のとおりです。
①全身麻酔下でハローリングを取りつける
②上級医がハローリングを牽引し、愛護的に左C1外塊塊を整復
ー前方に脱臼したC1左外側塊が左C2関節を乗り上げるように左強めに牽引する
ー助手は牽引の際に肩を抑えて身体ごと牽引されないようにする
ーさらに助手は経口で指を挿入し、透視下にC2歯突起が偏位しないよう気を配りつつ、前方に乗り上げた左C1外側塊を背側に押す
③整復されると“clunk” soundが感じ取られる
とのこと。
丁寧なシェーマが記載されております。
当たり前といえば当たり前なんですが、論文にあるのとないのとでは安心感が違いますよね。
本日のまとめ
めったに遭遇することはないのですが、成人の外傷性C1-2回旋脱臼はFielding type1であれば適切な整復 後に外固定6-12週で比較的予後は良好のようです。
適切な整復方法や、適切な外固定の方法については、症例が少ないため、まだまだ議論の余地があります。
整復方法については、教科書にはとぼしいです。
この論文で述べられている方法はとても理解しやすいと思いました。
コメント