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はじめに


本邦でもVBS: vertebrobody stenting systemが始まりました。

骨粗鬆症性椎体骨折における経皮的椎体形成術の市場をほぼ独占している巨人、Kyphon(メドトロニック)にジョンジョンが戦いを挑む構図です。

KMC(MDM/帝人)に次いで3製品目といえます。

KyphonとKMCはバルーンを用いて椎体内を整復します。

VBSはさらにひと手間くわえて、バルーンで整復した椎体が再度圧潰しないようにステントを用いて椎体を支えるもの、となります。

手技は似ているのですが、デバイスのサイズ感がまったく異なります。

とぜん調査員が調査したのでまとめておきます。

とぜん調べ、非公式なので、情報取り扱いにご注意ください笑



拡張前のサイズが大きく異なる


特筆すべきは、拡張前のサイズが従来品と大きく異なる点です。

拡張前からバルーンサイズがとても長いんです。

従来品では拡張前のバルーンサイズはほとんど変わりません。

以前、拡張時には若干KMCのほうがKyphonより長くなるので、KMCは気持ち外側から内側に刺入する意識をもったほうがよいだろうと考察しました。



VBSは拡張前のサイズがかなり長いです。
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表にまとめましたが、Sサイズで21mm、Mサイズで26mm、Lサイズで30mmです。

なんだったらケージより長い!!

胸腰椎移行部の小さい椎体内にその長さをきっちり入れきらないといけません。

ということは、さらに外側から内側、つまり椎体中央を目指して刺入しなければならないです。

というのも、ステントはコバルトクロムで形状記憶になっているそうです。
なので、ステントは設計された定まった形にしか拡張しないようです。

ということは、ステントが外側寄りに入ったたら、拡張時に椎体外壁を損傷する可能性があります。後ろ寄りに入ったら椎体後壁や椎弓根を損傷してしまう可能性があります。

BKPであれば多少いい加減(?)であっても、バルーンが拡張時に柔らかいほうに寄っていき、椎体外壁に接しても大丈夫でした。

バルーンでテスト拡張したときに、ステントが膨らむ形がうまくつくれなさそうなら、ステント留置はおこなわず、そのまま骨セメント注入し、いわゆるBKPの手技にとどめておく、という撤退策をつねに考えておいたほうがいいかもしれませんね。
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本日のまとめ


VBSのデバイスについてまとめました。

従来品より拡張前の前後径がかなり長く感じると思います。

適切な軌道にデリバリーしていく技術が求められますね。

ステンティングにより、これまでのBKP手技で生じたdeflation effectが生じない、生じても軽度で済む可能性があります。

BKP+PPS(2 above, 2below)という選択肢が、1-1で済むかもしれません。

あるいは1-1で行っていたものが、VBS単独で済むかもしれません。

今後の動向を慎重にフォローしていきたいと思います。