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はじめに


公言しているとおり、わたしは患者適合型ドリルガイドの大ファンです。

最近ではナビゲーションを用いて、放射線被爆量をさらに低減化する試みを行っています。

当院のナビはStealth Station 7で、術中撮像ができないため、ナビ併用には限界がありますが、、、

現在の結論としては、ナビゲーションと患者適合型3Dドリルガイドは、決してVS関係にあるのではなく、お互いの弱点を補完するとても相性のよいツールと感じています。

課題の一つとして、ガイドの費用をどのように捻出するか、があります。

3Dプリンティングによる患者適合型ガイドの値段


3Dプリンティングによる患者適合型ガイドの値段はいかがでしょうか。

通常の1椎間固定をするとしても、モデルは上位椎体と下位椎体の2個分必要です。

普段胸椎、腰椎、SAIで使用しているメダクタ社製の患者適合型MySpineは、
1椎体あたり100ドル
となります。

よって2椎体作成で200ドル。

しかし、通常の1椎間固定での使用よりは、困難な多椎間症例に使用したいはずです。

なので椎体数が増えるごと、100ドル増しになっていきます。

また、最近使い始めた頚椎での3Dドリルガイド、SGT(Specific-Guid Template)システムの場合は、
1椎体あたり1万5000円
となります。

定価で億単位の費用のナビゲーションを購入するより、初回のコストは圧倒的に抑えられます。

患者適合型ガイドも保険収載されている


患者適合型ガイドを使用することで、安全性や手術の確実性が高まることは、これまでもさまざまの論文で報告されています。

ナビもガイドも、保険収載として
K939の画像等手術支援加算2000点の加算
が算定されております。

詳細は
「患者適合型手術支援ガイドによるものとは、手術前に得た画像等により作成された実 物大の患者適合型手術支援ガイドとして薬事承認を得ている医療機器を、人工膝関節置 換術又は再置換術を補助する目的で用いることをいう。」
とありますが、わたしの地域では、症状詳記に使用についてしっかり記載することで、脊椎手術においてもいまのところ返戻されたことはありません。

何椎間の固定を行っても2000点


ただ、これは手術に対しての加算なので、椎間数は関係ありません。

ガイドを用いて思春期側弯矯正など多椎間の手術を行おうが、1椎間固定を行おうが、おなじ2000点です。

1椎体間固定あたり20,000円から30,000円のコストがかかるガイド市場では、2000点では補えません。

結果、病院経費となり、ガイドで安全な手術を提供しているにも関わらず病院経営を圧迫するという問題が生じます。

3Dドリルガイドを届けたい人と受け取りたい術者とをマッチングしたい


医療の技術が革新していく速度に日本国家の保険システムはついて行けていません。

このような手術支援技術を保険で補うのはいつまで立っても無理な話なのです。

個々の病院の経営努力でお願いします、といわれても、保険制度である以上、得られる診療報酬は一定なので、病院は支出を削らないと収益があがりません。

犠牲になるのは、結局患者さんになるのではないでしょうか。

3Dドリルガイドを届けたい人と受け取りたい術者とをマッチングできたらいいな、と思っています。

ハードルは高そうですが、クラウドファンディングのキュレーターさんにお話を聞いてもらいました。


本日のまとめ


立場上、寄付金控除が受けられる寄付金控除型クラウドファンディングは無理です。

クラファンの形としては、購入型・All in型でしょうか。

・・・なかなかにハードル高い、、、

安全な手術を提供していくにあたり、費用の問題はなんとか解決していきたいものです。

もしクラファンを立ち上げることができましたら、ぜひ応援お願いします!