胸腰椎移行部の前側方アクセス、術後管理が楽になりました
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はじめに
胸腰椎移行部の前方アクセスです。
過去は、横隔膜を切開して胸膜外と後腹膜腔をがらんどうにしてアプローチしていました。
横隔膜の麻痺がおこったり、胸水がたまったり、呼吸機能の低下や低栄養に悩まされる症例もございました。
XLIF開創器の登場で横隔膜を袈裟斬りにせずとも、経横隔膜的に開創器をつっこむことで胸腰椎移行部にアプローチできるようになりました。
しかし、だいたい椎体置換することが多い場所です。
いかんせん術野が狭く、やりにくい。
お師匠さんにlateral extra-coelomic approachでいくといいよ、と教わり、実際に手術指導に来ていただき手ほどきいただきました。
術後管理がとても楽になった
いわゆるretropleural-retroperitonealアプローチです。
今日は
— とぜんな脊椎外科医@四つ葉スパインクリニック (@yotsuba_spine) August 31, 2021
Lateral extracoelomic (retropleural/retroperitoneal) approach
で胸腰椎移行部にアクセスしました。
無事に手術を終えることができ、師匠に感謝です。https://t.co/w4naCsGy1T
術者は患者さんのお腹側に立ち、肋骨を切除して、肋骨の裏側をツッペルなどでこするようにしながら、壁側胸膜を剥離していきます。
同時に腹横筋膜腹側裏から剥離して後腹膜腔を展開していきます。
横隔膜が肋骨や腰椎などに靭帯成分みたいな固い組織でくっついているので、凝固してメッチェンバームなどで切開、剥離すると、胸膜外腔と後腹膜腔がつながって大きなスペースができます。
あとはひろびろとしたスペースに開創器をかけて、椎体置換などを行います。
今回はT12の椎体置換とL1/2のOLIFを行いました。
術後3日目の胸部レントゲンでも胸水の貯留や横隔膜の麻痺ははっきりしません。
術後の創部痛はありますが、呼吸器症状なく経過しました。
本日のまとめ
lateral extra coelomic approach
retropleural-retroperitoneal approach
のおかげでは術後の管理が比較的楽になったように思えます。
に詳しいです。
The anatomical relationship of the diaphragm to the thoracolumbar junction during the minimally invasive lateral extracoelomic (retropleural/retroperitoneal) approachJ Neurosurg Spine 16:359–364, 2012
ぜひご参照されてみてください。
引き続き症例を積み重ねて、慎重にチェックしていきたいと思います。
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