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2021tozen.001

はじめに


開業にむけての勉強の続きです。

有床診療所は、病院と比べて
・医師の配置
・構造設備等の基準
などがゆるいということから、入院基本料はかなり低く設定されております。

原則として、医師の当直義務はないそうです(都道府県の立ち入り検査時に適宜指導)。

有床診療所の病床には
一般病床
療養病床
があります。

今日は有床診療所一般病床の入院基本料についてまとめます。

有床診療所一般病床の入院基本料


有床診療所一般病床の入院基本料の算定は以下のごとくです。

イ)14日以内の期間917点
ロ)15日以上30日以内の期間712点
ハ)31日以上の期間604点

いわゆる病院の急性期病棟の入院基本料はほぼ1.8倍の1650点、、、
有床診療所でマックス19人入院して、ようやく急性期病院の10.5人入院の計算です。

これは、なかなかに厳しい数字です、、、

次に人員配置での加算についてみてみます。

人員配置や診療体制の加算


人員配置の加算では以下のものがあります。

とぜんスパインクリニックにおいて
◯が算定できそうなもの
☓は算定しにくそうなもの
△は不勉強で、よくわからないもの
です。

◯医師配置加算1 +120点
・医師二人以上

◯看護配置加算+60点
(看護職員10人以上)(1日につき)

☓夜間看護配置加算1 +100点
◯夜間看護配置加算2 +50点
(1日につき)
「1」夜間の看護要員の数が看護職員1人を含む2人以上の場合、
「2」は夜間の看護職員の数が1人以上の場合

◯看護補助配置加算1 +25点
△看護補助配置加算2 +15点
(1日につき)
「1」は看護補助者が2人以上、「2」は看護補助者が1人以上の場合

看護師さんの配置については、前回、
「看護師さん、とぜんクリニックに何人必要なのかな」
で考察したので割愛します。



ほか、診療体制で
☓重症児(者)受入連携加算 +2,000点(入院初日)

◯有床診療所一般病床初期加算 +150点(1日につき、14日限度)
・全身麻酔、脊椎麻酔又は硬膜外麻酔(手術を実施した場合に限る。)の患者数が年間30件以上であること。
・夜間看護配置加算1又は2を算定しており、夜間の診療応需態勢を確保していること。

◯有床診療所在宅復帰機能強化加算 +20点(入院15日以降、1日につき)
・有床診療所入院基本料1
・退院した患者に占める在宅に退院した患者の割合が7割以上
・平均在院日数が90日以内であること。

◯-△介護連携加算1 +192点(入院15日~30日まで、1日につき)
△介護連携加算2 + 38点(入院15日~30日まで、1日につき)
とぜんクリニックで通所リハビリなど介護サービスの要件を満たすか確認が必要。

◯夜間緊急体制確保加算 +15点
入院患者の病状の急変に備えた緊急の診療提供体制を確保していること。
HPに掲載します。

◯地域加算 

まとめたなかで、
917+120+60+50+25+150+20+15+9(+192)点
=1366(1558)点

安いですね、、、

1泊ビジネスホテル並みです。

入院基本料の最大化のための考察


平均在院日数=
3か月間の入院延べ患者数/
/(3か月間の新規入院患者数+3か月間の退院患者数)÷2
という、3か月分データでの計算式になります。

仮に1か月の入退院が30人で、平均在院日数14日での運営で考えてみると、
だいたい1日に入院している延べ入院患者数は、3か月の日数を30日+31日+30日で計算すると、
X床×91日/
/(30+30+30)+(30+30+30)÷2
=14
となり、X=90×14÷91
約14人入院していることになります。

月の入院基本料報酬は、1366(1558)点☓14☓30日で
5,737,200(6,543,600)円ですか、、、

安い、安すぎる、、、

19床マックスで回して、入院基本料マックスが
1366(1558)点☓19☓30日で7,786,200(8,800,600)円、これがマックスです、、、

有床診療所19床をマックスで回すなら、月の入退院がどれくらいかというと
19床×91日/
/3X
=14
で逆算すると、X=19×91/平均在院日数×3、576.3/平均在院日数、となるので
・平均在院日数10日で月に入退院58人です。
・平均在院日数14日で月に入退院42人です。
・平均在院日数20日で月に入退院29人です。

入院基本料最大化は14日間期限なので、
平均在院日数14日以内、入退院42人以上をめざすことになりますよね。

本日のまとめ


あまりに安くて、クラクラします。

看護師、看護助手12人程度雇用となるとなかなかに厳しい経営状況ですね。

入院を確保するために、外来ルートのみならず、紹介ルートをしっかり構築していかなければならないです。

救急ルートはないですから。

そして手術点数で診療報酬を上乗せしていかないと通常の入院料では絶対に成り立たない、、、

ハイリスク、ローリターン?

次は有床診療所療養病床の入院基本料について勉強してみます。