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はじめに


脊椎後方固定ではスクリューでの固定が用いられます。

正中切開から刺入ポイントまで大胆に展開していく従来のスクリュー刺入法と、
レントゲン透視あるいはナビゲーション下に経皮的に椎弓根スクリューを刺入する方法があります(Percutaneous Pedicle Screw で、PPSと略されます)。

筋肉の展開の侵襲が少ないため、「低侵襲法」とされますが、低侵襲だからあまり痛くないと思いきや、じつはわたしは、従来法と比べてみて、結構痛いと実感しています。



どうにかできないものかな、、、と思っていたところ、手術を見学に行った際に、後枝内側枝ブロックを用いておられたのがとても印象に残りました。

なるほど、透視下手術と後枝内側枝ブロックは相性がいい


これまで手術終了時に創部にアナペインを局麻していましたが、よくもあるがあまり効果を実感できないこともありました。

それでやれることをやった感を出しておりましたが、たしかに後枝内側枝ブロックまで積極的にトライしていないと反省しました。

見学に行った施設では、PPSを刺入する前に透視下でカテラン針を用いて後枝内側枝ブロックを行っておりました。

なるほど、透視下手術と後枝内側枝ブロックは相性がとてもいいですね。
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わたしはPPSは2面透視法を用いて刺入することがほとんどです。

なので、わたしもPPS刺入前に後枝内側枝ブロックをしてみよう!!

文献を攫ってみましたが、残念ながらなかなか見つかりませんでした。

臨床研究情報ポータルサイトにて
2021年8月25日更新で
「腰椎後方椎間固定術に対する脊髄神経後枝内側枝ブロックの鎮痛効果のに関するランダム化比較試験」
荻窪病院麻酔科 吉松貴史先生
を見つけることができました。

結果がどのようになっているかはわかりませんが、わたしもトライしてみます!!

本日のまとめ


エキスパートの先生の手術を見学してまいりました。

エキスパートと呼ばれる先生は、手術の上手さのみならず、手術前後の体位や放射線透視の工夫、手術道具のこだわり、手順の簡略化、チームビルディングなどいろいろエキスパートです。

これらの勉強ポイントは現地に行かなければ絶対に得ることができません。

今後もエキスパートの先生方からの学びを皆さんと共有していけたらな、と思っています。

また、開業した暁には、手術に来ていただき、術野や手術外の立ち振舞いなどを定点カメラでアーカイブして、Webでつなげることで、見学に行かなくとも、まるで見学したかのように学びが得られるような手術室運営を目指したいです。