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2021tozen.001

はじめに


引き続き、有床診療所開業にむけての勉強です。

有床診療所の病床には
・一般病床
・療養病床
があります。

一般病床の入院基本料、施設基準は、
有床診療所一般病床の入院基本料の最大化のための考察
にまとめました。



今日は有床診療所療養病床の入院基本料についてまとめてみたいと思います。

有床診療所療養病床の入院基本料5区分
有床診療所療養病床の入院基本料は、

「A109 有床診療所療養病床入院基本料(1日につき)」

として、AからEまで5区分あります。

入院基本料Aは1057点(生活療養を受ける場合にあっては、1042点)です。

有床診一般病床14日以内917点に比べると若干高いです。

高いならいいじゃないかと思いがちですが、一般病床と異なり療養病床の入院基本料は、検査・投薬・注射・処置などすべてが包括化された点数なので要注意です。

以下療養病床についてまとめていきます。

療養病床での検査・投薬・注射・処置などについて


検査・投薬・注射・処置などに扱いについて抜粋します(ほんとわかりにくい)。

「有床診療所療養病床入院基本料を算定している患者に対して行った第3部検査、第5部投薬、第6部注射及び第13部病理診断並びに第4部画像診断及び第9部処置のうち別に厚生労働大臣が定める画像診断及び処置の費用(フィルムの費用を含み、除外薬剤・注射薬の費用を除く。)は、当該入院基本料に含まれるものとする。
ただし、患者の急性増悪により、同一の保険医療機関の療養病床以外へ転室又は別の保険医療機関の一般病棟若しくは有床診療所の療養病床以外の病室へ転院する場合には、その日から起算して3日前までの当該費用については、この限りでない。

自分なりに翻訳します。
間違いがあれば、ぜひご指摘、ご指導ください!!

・心電図、超音波(エコー)、内視鏡は「検査」であるため算定できない。もちろん検査のために使用した薬剤、特定保険医療材料も算定できない。
・胸部レントゲンや腰椎などの単純撮影はフイルムの費用も含めて算定できない。もちろんデジタル映像化処理しても算定できない。
・CT 、MRIは「画像診断」であるため算定できる
・点数表の「投薬」の項目すべて算定できない。
・点数表の「注射」の項目もすべて包括。
・点数表の「リハビリテーション」のうち、理学療法、作業療法、言語聴覚療法(それぞれ集団療法のみ)は包括。ただし個別療法は算定できる。

とはいえ、リハビリの個別療法は月に10単位を超えると11単位以降からは70%に低減されてしまいます。

療養病床の加算ついて


・日常生活障害加算(40点/日)
「障害老人の月常生活自立度(寝たきり度)判定基準」におけるランクB以上に該当するもの。
ただし、経管栄養を実施しており、かつ、留置カテーテル設置又は常時おむつを着用しているものを除く。

・認知症加算(20点/日)
「認知症である老人の日常生活自立度判定基準」におけるランクⅡb以上に該当するもの。
ただし、重度の意識障害のある者(JCS(JapanComaScale)でII-3(又は30)以上又はGCS(Glasgow Coma Scale)で8点以下の状態にある者)を除く。


いずれも脊椎診療でこの加算を要する患者はいないですね。

ということで、療養病床では多くのことができません。

本日のまとめ


とぜんクリニックは混合病床を想定しています。

なので、一般病床で手術を行い、術後早期に必要な検査を行い、療養病床に転棟して自宅退院という流れとなります。

前回考察したように、有床診療所19床をマックスで回すなら、
・平均在院日数20日で月に入退院29人です。
・平均在院日数14日で月に入退院42人です。
・平均在院日数10日で月に入退院58人です。

まずは月に30件の手術を平均在院日数20日未満で運営していくことが目標になりそうです。
手術件数が40件などと増えていくにつれ、平均在院日数も14日くらいをめざすしていくことになりますね。

クリニカルパスは療養病床転棟を見越して、7-10日くらいで設計しておくのがよさそうです。