2021 3月 10 03:46:37 多発性骨髄腫は脊椎外科医が入り口 カテゴリ: 診断・症候・画像 多発性骨髄腫 はじめに 高齢者腰痛診療に携わっていると、必ず「多発性骨髄腫問題」に遭遇します。 多田広志先生J.Spine Res. 11: 908-911, 2020多発性骨髄腫の診断における整形外科医の役割 を拝読し、とても勉強になりました。 腰痛診療においての採血の重要性について述べられております。 タグ :#蛋白分画#red_flag#レッドフラッグ#血液内科との連携
2021 2月 15 08:00:18 見逃されることが多いのか?外傷にともなうC1-2回旋脱臼 カテゴリ: 頚椎・頸髄損傷 診断・症候・画像 はじめに 以前記事にした成人での外傷性の環軸椎回旋脱臼症例についてです。 ふつうは、環軸椎回旋脱臼は通常は小児に多いです。 治療方針を文献で検索していたところ、 「見逃されることが多い」 という記載が多く、意外に感じました。 たしかに、珍しい病態ではありますが(わたしも経験するのは初めてです)、首が回旋して固定していますし、首を回そうとすると痛くて動かせないので、明らかにおかしいです。 いわゆる斜頸をおこしています。 “cock-robin” head positionとも表現されます。 見逃されるケースが多いとのことなので、まとめておきます。 タグ :#環軸椎回旋脱臼#クックロビン#cock-robin#斜頸#翼状靭帯#環椎横靭帯#歯突起骨折
2020 8月 7 20:39:55 脆弱性骨盤骨折も骨粗のパンフレットに載せてほしい カテゴリ: 骨粗鬆症 診断・症候・画像 はじめに 先日、某製薬会社の社内研修に行ってまいりました。 骨粗鬆症についての勉強会だったので、わたしが常日頃感じている脆弱性骨盤骨折について発表しました。 そのココロは、「脆弱性骨盤骨折もパンフレットに載せてほしい」というものです。 情熱を込めてスライドにしました。 タグ :#脆弱性骨盤骨折#見逃し#不顕性骨折#仙骨骨折
2020 8月 5 17:26:22 患者語録は診察のカギ カテゴリ: 外来診療にて 診断・症候・画像 はじめに ときに患者さんは、ご自身の症状をピンポイントで的確におっしゃってくださることがあります。 例えば、腰部脊柱管狭窄症では「腰を伸ばすとちょこっと歩いては休み、ちょこっと歩いては休み、の繰りかえしだけど、自転車だったらいくらでもこげるよ」など。 患者語録とでもいうのでしょうか。 まさにわたしたちが今から診察で行おうかという身体所見のテストをまんま伝えてくださることがあります。 今回は頚椎症性神経根症の疑いで紹介された患者さんから語録をいただきました。 タグ :#患者語録#テニス肘#上腕骨外側上顆炎
2020 7月 24 05:01:22 もしかしてoccult dural AVFなのか カテゴリ: 外来診療にて 診断・症候・画像 はじめに 先日、他院から頚椎症による歩行障害での手術適応についての紹介がありました。 ありがたいことに、頚椎と腰椎のMRIを持参されており、すでに診断がついているのかと思いました。 頚椎症性脊髄症による痙性歩行障害であれば、すでに索路障害をきたしていることになるので、まず間違いなく手術を考慮したほうがよいでしょう。 タグ :#胸髄症#dural_AVF#診断の遅れ
2020 4月 3 18:33:14 蛋白分画が6分画になり、M蛋白検出の感度が高くなりました。 カテゴリ: 診断・症候・画像 多発性骨髄腫 はじめに 蛋白分画、検査していますか? どうやら、蛋白分画を提出しているのは、わたしが施設内でナンバーワンらしいです。 次いで内科の先生、とのこと。。。 その是非は別として、われわれにとって、タイトルのように 「蛋白分画が6分画に分離されるようになりました」 といっても、ふ〜ん、で??という感じではないでしょうか。 わたしもそれ自体がどういう意味なのかはよくわかりませんが、この結果、スクリーニングの威力が増す、ということらしいです。 なんのスクリーニングか、といえば、それはもちろん、M蛋白の検出です。 タグ :#M蛋白#M蛋白血症#蛋白分画
2019 6月 15 13:21:49 脊髄出血性疾患に遭遇したら、どこまで検査するのが正解なの? カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 はじめに 退行変性がメインの脊椎領域にも緊急の疾患があります。 その代表格は、血管障害です。 出血することもあれば、血管が詰まることもあります。 硬膜外血腫や脊髄梗塞などがありますが、実は、案外知られておらず、診断の遅れが問題になりがちです。 脊髄の出血系疾患に遭遇したら、どこまで、検査していくのが正解なのでしょうか? 診療群別臨床検査のガイドライン 2003を参考にしています(ふ、ふるい、、、あしからず)。 タグ :#出血性疾患#脊髄硬膜外血腫#脊髄硬膜下血腫#線溶系異常
2019 4月 5 10:14:27 まれな腰痛疾患②SAPHO症候群について カテゴリ: 診断・症候・画像 その他の腰椎疾患 はじめに 最近、腰痛について深く考えさせられています。 きっかけは 山口大学 鈴木秀典先生の論文「慢性腰痛(非特異性腰痛)」の治療 脊椎脊髄 29(1): 35-41, 2016 です。 腰痛患者のうち非特異性腰痛と診断されていたもの72%は診断が可能であり、 どうしても診断が難しいものが28%で、これが真の非特異性腰痛の割合である。 よって腰痛患者の78%は整形外科専門医が詳細な診察を行えば診断が可能である。 という結論です。 自分も診断の精度を高めたいと思い、腰痛診療のアップデートを開始しています。 今回はSAPHO症候群についてです。 SAPHO umbrella Clinical Radiology 67 (2012) 195-206 タグ :#SAPHO症候群#非特異性腰痛#MRI
2019 4月 4 10:12:05 非特異性腰痛が80%!? カテゴリ: 診断・症候・画像 論文紹介 はじめに 腰痛症には、非特異性腰痛という概念があります。 定義では 脊椎に特異的な病理が見いだせない腰痛 のことをいいます。 腰痛の由来は、脊椎以外にも、 内臓にあったり、 血管にあったり、 神経にあったり、 しいては心因性のものだったり いろいろ考えられております。 タグ :#非特異性腰痛#慢性腰痛#整形外科専門医
2019 2月 10 19:41:31 多発性骨髄腫は腰背部痛を訴えて整形外科を初診する カテゴリ: 多発性骨髄腫 診断・症候・画像 はじめに この度、ご縁あり、地域の医師会の医療連携の会で講演する機会をいただきました。 骨粗鬆症関連の会になるため、内科・整形外科開業医中心となりそうです。 この講演で伝えておきたい関心事のひとつとして、 「多発性骨髄腫は腰背部痛を訴えて整形外科を初診する」 を取り上げたいと思っています。 タグ :#診断の遅れ#骨粗鬆症性椎体骨折との鑑別#転移性椎体腫瘍との鑑別#蛋白分画#M蛋白#ベンスジョーンズ蛋白