2019 6月 15 13:21:49 脊髄出血性疾患に遭遇したら、どこまで検査するのが正解なの? カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 はじめに 退行変性がメインの脊椎領域にも緊急の疾患があります。 その代表格は、血管障害です。 出血することもあれば、血管が詰まることもあります。 硬膜外血腫や脊髄梗塞などがありますが、実は、案外知られておらず、診断の遅れが問題になりがちです。 脊髄の出血系疾患に遭遇したら、どこまで、検査していくのが正解なのでしょうか? 診療群別臨床検査のガイドライン 2003を参考にしています(ふ、ふるい、、、あしからず)。 タグ :#出血性疾患#脊髄硬膜外血腫#脊髄硬膜下血腫#線溶系異常
2018 12月 25 17:13:37 上腹部痛と心窩部痛。この原因は脊椎?? カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 はじめに 民間の場末の救急施設で診療していると、紹介での救急受診はほとんど参りません。 今回もとてもびっくりした次第なので報告します。 症例提示 60台の男性です。とくに既往や服薬歴のない健常な妻子ある方です。 主訴は上腹部痛。 夕食を終えて、突然痛みだしたそうです。 夜間の急患センターに行き、ペンタゾシン、ラニチジン塩酸塩投与を受けたそうですが、いまひとつ改善が得られないということで救急搬送されました。 搬送中に、上腹部から心窩部にまで痛みが広がってきたそうです。 外科で対応、採血、心電図や胸腹部CTが撮像されましたが、原因がはっきりしません。 憩室炎の診断で観察入院の運びとなりました。 タグ :#急性硬膜下血腫#進行する麻痺症状#緊急手術
2018 1月 3 02:09:13 まれ?Bow hunter's strokeについて。 カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 はじめに 股関節班から、 「Bow hunter 症候群と診断され、頸部を回旋しないように、と言われて10数年、、、という症例がいます」 と相談されました。 すでに症状の再現性はなく、抗血小板剤内服は高血圧、狭心症の既往によるものだとか。 再現性がないなら大丈夫ですよ、とはなかなか断言できなかったので、せめて低侵襲検査として、頸椎Xpでの動態評価、MRI/MRA、頸動脈エコーで正中、回旋位での血流ドップラー評価を可能な限りで行ってもらい、所見がはっきりしなかったのでそれ以上の追加検査は行わず、通常以上(?)に愛護的に股関節手術してもらいました。 10数年前にBow hunter's strokeと診断するって臨床力すごいなあ、と感じました。 というのは、わたしは未だに診断したことがないからです。 見逃しているんだと思います。。。 ということでBow hunter's strokeについてまとめておきます。 タグ :#めまい#意識消失#ふらつき#頸部回旋に伴う#頸動脈エコー#動態脳血管撮影
2017 4月 19 18:03:31 特発性頸髄硬膜外血腫を早期に診断するポイント カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 はじめに 勉強会をする機会がありましたので併せて記事に致します。 頸椎硬膜外血腫についてです。 頸髄硬膜外血腫は画像を示されれば、別段に診断に困るような疾患ではありません。 重要なことは「いかに早期診断ができるか」ということであることを強調させて頂きました。 タグ :#特発性頸椎硬膜外血腫#診断の遅れ#診断のポイント
2016 6月 5 06:17:25 画像所見は診察所見との整合性を確かめて。腰椎疾患として治療されていた硬膜動静脈瘻dural AVFより。 カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 はじめに 本日の症例提示です。 下肢症状が出現した際、 患者さんをはじめ、多くの医師は 症状の由来は腰から と考えることが多いと思います。 そして、実際に腰の画像を撮像すると、腰部脊柱管狭窄症があったりします。 これが大きな落とし穴になります。 実臨床では、腰椎症などのいわゆる退行性変性疾患は 単純な加齢現象をみていることを含むわけで 実際の症状の主座ではないことを多々経験します。 タグ :#硬膜動静脈瘻#dural_AVF#退行性変性疾患#腱反射
2015 12月 6 06:31:45 脊髄梗塞の病型 カテゴリ: 診断・症候・画像 脊髄血管障害 それでは、脊髄梗塞についてまとめます。 今回は、病型についてです。 脊髄梗塞の病型 脊髄梗塞の病型は ・前脊髄動脈症候群;anterior spinal artery syndrome ・後脊髄動脈症候群;posterior spinal artery syndrome ・中心性梗塞;central infarction ・横断性梗塞;transverse infarction ・Brown-Sequard syndrome に分類されます。 タグ :#脊髄梗塞#病型#髄節症状#索路症状#前脊髄動脈症候群#後脊髄動脈症候群
2015 12月 5 05:30:54 脊髄循環についてのまとめ カテゴリ: 解剖 脊髄血管障害 脊髄梗塞に関して まれな疾患なので、スタッフと勉強会を開くことにしました。 まず脊髄の動脈支配について、まとめました。 分節動脈について 脊髄を栄養する血管は、それぞれの高さの分節動脈に由来します。 分節動脈は、 ・頸髄レベル;椎骨動脈、上行頸動脈、深頸動脈から ・胸髄レベル;下行大動脈からの肋間動脈と、鎖骨下動脈からの最上肋間動脈から ・腰髄レベル;腹部大動脈、正中仙骨動脈、腸腰動脈からの腰動脈から 分枝します。 タグ :#脊髄梗塞#分節動脈#神経根動脈#前脊髄動脈#後脊髄動脈#中心溝動脈
2015 12月 4 06:07:45 敗北感しかありません。。。脊髄損傷だけではなかった。まれな脊髄梗塞という病気。 カテゴリ: 脊髄血管障害 診断・症候・画像 患者さんが救急来院されました。 もともとL4/5の椎間すべり症、不安定症による高度狭窄で内服治療中です。 突然の腰臀部痛のあとに両膝から下の感覚が脱失。 立つことができない。 救急担当医から当科へコンサルトされました。 「貴科で治療中の患者さんのL4/5狭窄症状が悪化しています」 ということでしたが、 「L4/5の馬尾症でそんな急なことは起こらない、 なにか新しいイベントが起こっているはず」 タグ :#脊髄梗塞#大動脈解離#脊髄円錐#前脊髄動脈症候群#後脊髄動脈症候群#予後不良#再生医療
2015 9月 7 06:08:11 頚髄硬膜外血腫に遭遇 カテゴリ: 脊髄血管障害 診断・症候・画像 はじめに 特発性脊髄硬膜外血腫は、数すくない脊椎救急疾患の一つです。 救急診療をしていればいつか確実に遭遇すると思います。 比較的まれな疾患であるため、その病気を知られず、救急疾患でメジャーな脳卒中と診断されることもあります。 タグ :#頚椎#硬膜外血腫#適応